マイ・リンド国際ピアノコンクール/The Helsinki International Maj Lind Piano Competition
歴史は浅いけれど本格派、フィンランドのMaj Lind 国際ピアノコンクール
北欧の有名音楽院が開催する新しいピアノコンクールですが、内容も出演者のレベルもあなどれません。4年後の開催に向けて準備を始めましょう
森と湖の国、フィンランドで、エサ=ペッカ・サロネンやカイヤ・サーリアホを始め、世界中に数多くの有名音楽家を育てている、シベリウス・アカデミーが主催するピアノのコンクール、Maj Lind 国際ピアノコンクールはこれまでに3度開催され、2017年に4回目を迎える若いコンクールです。歴史の浅さにかかわらず、世界のトップコンクール常連のピアニスト達を引きつけているのは、やはりその賞金の高さと規模の大きさなのでしょうか。賞は6名のファイナリスト全員に用意され、2012年度の開催では、更に委嘱作品最優秀演奏賞と、フィンランド作曲家の作品の最優秀演奏賞が贈られました。規模の大きさは賞金額のみにあらず、審査の方も1次審査より、コンサートホールで45分間のプログラムと、本格的です。その後も60分のリサイタルと、手応えのある2次審査に続くファイナルは、2012年度は2部に分かれ、室内楽の部と、フィンランド・ラジオ・シンフォニーオーケストラの伴奏によるコンチェルトの部の2日間に分けてとりおこなわれました。全ての演奏は有料で公開され、ホールには一般の観客が詰めかけます。審査を行うのはインターナショナルな審査員で、2012年にはピアニストの海老彰子さんも招かれています。その中で選ばれた優勝者が世界レベルになるのも自明の理というもの。第2回の優勝者、ソフィア・グルャクは今や若手第一人者として押しも押されぬ地位を得、前回、第3回の一位入賞者、セルゲイ・レチキンもヨーロッパを始め、各地で活躍しています。次回の開催は4年後、あなたが次の勝利者になる番です。
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