マイケル・ヒル国際ヴァイオリンコンクール/Michael Hill International Violin Competition
トータルプロデュースに相応しいヴァイオリニストとして見いだされるために
オークランドはニュージーランド最大の都市として知られています。海に面し、豊かな自然に囲まれるこの都市に、2001年に設立されたこの新しいヴァイオリンコンクールは、2年に一度開催されています。しかし、このコンクールの過去の優勝者は、弱冠24歳にしてチェコ・フィルハーモニー管弦楽団のコンサートマスターに就任したヨセフ・スパチェクや、昨年ジュリアード弦楽四重奏団のファーストヴァイオリンに選ばれた ジョセフ・リンなど、現在一線で活躍しているヴァイオリニストばかり。そしてそれには理由があります。
マイケル・ヒル国際ヴァイオリンコンクールは優勝者に賞金のみならず、マスターコースでの指導や室内楽、そしてオーケストラとのコンチェルトを含む、ニュージーランド十数都市にまたがるコンサートツアーを提供しています。そして、優勝者にはプロの演奏家として自立するためのプライベートなコーチングがつくのです。CD/DVD審査を含めれば5段階の審査を勝ち残ったヴァイオリニストの力量は相当なもの、今度はそれを生かすためにはどうすればよいのか、それを学ぶためのプログラムが用意されているわけです。
コンクールの課題曲には現代曲の委嘱作品の他、弦楽三重奏も課題に含まれています。室内楽を重視するのも、新しいコンクールの特徴といえましょう。実際、ヴァイオリニストはリサイタルのみ、協奏曲のみを弾いているわけではなく、室内楽のコンサートを提供する機会は多いものです。
才能を発掘し、そして育てる。これが新しいコンクールの潮流となりつつあります。あなたの踏み出す一歩が、これからの演奏家としての人生を決めることになるかも知れません。