ミラネーゼが週末を過ごす郊外、温泉でも有名なガルダ湖。風光明媚なアルプスの山間に位置する湖のほとりにある小さな町、リーバ・デル・ガルダで毎年オペラシンガーのための小さなコンクールが行われています。コンクールで必要なレパートリーはオペラ作品より4曲のみ、エントリーもコンクール開始の数日前まで可能です。
その名を冠された「リッカルド・ザンドナーイ」はマスカーニに師事したイタリアのオペラ作曲家。歌劇「フランチェスカ・ダ・リミニ」は耳にしたことのある方も多いのではないでしょうか。コンクールでは、通常部門と平行して、このザンドナーイを記念した部門を開催。内容はほぼ他の出場者と同じですが、セミファイナルとファイナルでは加えてザンドナーイ作曲の作品より2曲演奏することになります。
小さなコンクール、また毎年開催という条件ながら、ご褒美のコンサートは少なくありません。日本のトヨタ財団を始め、ブラジルのサン・ペドロ劇場やオーストリア・チロル地方のエール音楽祭、また、カナダ・モントリオールのリリコレグラ歌劇場などと提携した演奏の機会を充実させている事務局の作戦勝ちというところです。
コンクール事務局はムジカ・リーヴァ音楽祭の主催母体でもあります。この音楽祭はコンサートの企画の他、マスタークラスの開催でも知られています。コンクール出場者にはムジカ・リーヴァ音楽祭への出場やマスタークラス受講の機会が与えられます。
コンクールの開催は毎年風薫る5月。キャリアの最初の糸口にも最適なこのコンクールでオペラ歌手としての第一歩を踏み出しませんか。