フランツ・シューベルトと現代音楽国際コンクール/International Competition "Franz Schubert and Modern Music"
トラディションとモダンの融合、フランツ・シューベルトと現代音楽国際コンクール
演奏科で現代音楽専修が選択できたり、オーストリア随一の現代音楽演奏集団、クラング・フォールム・ウィーンが現代音楽コースの指導を務めたりと、現代音楽に特に力を入れていることで有名なオーストリア国立グラーツ音楽大学。ウイーンやザルツブルク・モーツァルトテウムの2校のオーストリア国立音楽大学に比較して日本での知名度は高くありませんが、ベアト・フーラー、ベルンハルト・ラング、ゲオルク・フリードリッヒ・ハースなど、国際的に著名な作曲家陣を教授に迎え、特に作曲や現代音楽の演奏分野で近年その名を高めている存在です。シューベルトゆかりの地、グラーツに居を構えるこの音楽大学で、1989年よりシューベルトと20世紀以後の音楽にテーマをしぼり、 デュオ(リート、声楽とピアノ)と弦楽四重奏の2部門が毎回開催され、その他にピアノトリオや、ソロ楽器とピアのデュオ、ピアノソロなどの室内楽を中心にした1部門が行われています。2005年より演奏部門に先んじて行わている作曲部門では、コンクールの課題曲となる作品が選ばれ、若い作曲家にとっても多数の演奏家に自作を知らしめることのできる最良の機会となっています。演奏家にとっても、特にチャンスの多い現代音楽界でのコンタクトを得るために最高の機会。レパートリーはシューベルトの他、メシアンやヒンデミットなどの比較的なじみの深いものから、第一線の作曲家の作品や、はたまたオーストリアの若手作曲家の作品など、現代音楽啓蒙を旨としている音楽大学らしい課題となっています。トラディションとモダンの双方を要求されるこのコンクール、勇気あるレパートリーのチョイスで攻略してください。