菅野力さん/フルート/チューリッヒ芸術大学/スイス・チューリッヒ

15歳よりフルートを始める。洗足学園音楽大学大学院課程途中で、ドイツへ留学。 ドイツ語とフルートの研鑽をしつつ、スイス国立チューリッヒ芸術大学を受験。 審査員満場一致の首席にて入学。現在同大学院に在学中。 -菅野さんのまず簡単な自己紹介ということで、現在までの略歴を教えて頂けますか? 菅野さん 15歳からフルートを始めて、洗足音楽大学を卒業しました。 -ご留学なさったキッカケは何になりますか? 菅野さん 大学一年生の時に、海外の人が集まるマスタークラスみたいなのがあって、秩父であったんですけど、一週間くらいあって、それに参加させて頂いた時に、その海外の先生から指導を受けて「ああっ、いいなあ」と思って。 -それまでの日本のレッスンとは違ったってことですか? 菅野さん 違いましたねえ。全然、違いました。 -どんな感じで違うんですか? 菅野さん 褒めて伸ばすと言うか。勿論、言うことは言うんですけど。チラホラ。ちゃんと見てくれてるんだろうなあっていうのが分かりましたね。だからですかねえ。 -今の学校に入られるまでのいきさつはどんな感じですか? 菅野さん 勿論、御社にお世話になり、フライブルクで音楽の勉強をし、プライベートのレッスンを受けて、その間に、いろんな所、大学に「レッスンしてください」っていう連絡をして、返事がきた所に片っ端からレッスンしてもらいに行って、受験校を絞ってって。街の雰囲気とか物価とかを見てきて、受験校を絞って、一番受験が早かったチューリッヒに受かってしまったので、ここになったんですけどね。はい。 -ああ、そう。一番早かった。なるほどね。 菅野さん スイス早いですね。 -そうですよね。今、条件面で物価っておっしゃったから、物価の面だったらチューリッヒはどうなんだろうと思って。 菅野さん そこはちょっと目をつむりました。 -なるほど。 菅野さん チューリッヒの入試が4月の終わりで。でも、結果が5月の頭に出て、「大学に入りますよ」という書類を送るのがもう6月の末で、6月の末からドイツの入試が始まるんですよね。だから、ちょっと危ない橋渡れないなって思って。蹴ってドイツの学校受けて落ちてもあれだなあと思って。やむ得ずではないですけど、もちろん。はい。 -ドイツの学校はどのくらい「レッスンさせて下さい」というメールを? 菅野さん フライブルク音大、カールスルーエ、マインツ、フランクフルト、ワイマール、ハンブルク、シュツッガルトですかね。 -7個? 菅野さん はい。内返ってきたのが、カールスルーエとマインツ、フランクフルトとワイマール。 -4つ? 菅野さん 4つ。 -フライブルクは返事も来ず? 菅野さん はい。ちょうどなんか教授が変わるとかで。はい。 -じゃあ、今、おっしゃってた4つは直接行って。 菅野さん 受ける予定で。直接行って。 -何か出願で苦労したこととかありましたか? 菅野さん いや、もうドイツ語が読めなかったから。サイトからオンラインで申し込んだりする。 -マインツは大変だったんじゃないですか? 菅野さん マインツはメチャクチャ大変でした。結局、出願できませんでした。 -そうなんですか? 菅野さん はい。 -カールスルーエは紙?紙とオンライン? 菅野さん 紙。オンラインでやる時に、まず、オンラインの用紙、サイトのどこにあるのか分からない。ドイツ語読めないから。 -行かれて、でももうどのぐらい経ってましたっけ? 菅野さん 半年です。 -半年。読めるじゃないですか。うっすら。 菅野さん うっすらは読めましたけど、凄い時間がかかるんですね。やっぱり。要項とか読むのに。 -意味を逆に取っちゃたりすると問題ですよね。 菅野さん 大変なことになるんで。 -実際の入試はどんな感じでしたか? 菅野さん 試験内容は、もう入試じゃないみたいでしたね。凄いアットホームな感じで、どこの入試もそうでしたけど。3校受験したんですけど。バーゼルとフランクフルトとチューリッヒはどこもフレンドリーというか、「いらっしゃい」みたいな「よく来たね」みたいな。最初に演奏する曲は絶対選ばせてくれて。これどこもそうらしいんですけど。「どれからやりたい?」って聞かれて、「あっ、じゃあこれ」って言って。次の日指定されるんですけど。終始和やかに。 -審査員の先生は何名ぐらいいらっしゃっるんですか? 菅野さん チューリッヒは5人いましたね。 -全員学校の先生で? 菅野さん 学校の先生。フルートだけじゃなかったと思います。ちょっと偉い人とか。 -学部長さん? 菅野さん みたいな。はい。もいましたね。 -伴奏は付いてたんですか? 菅野さん フルート科のチューリッヒは先生が3人いるんですけど、クラスの伴奏者の中から出てましたね。 -突然合わせるのですか? 菅野さん 突然。突然というか、勿論合わせなし。ぶっつけ。勿論、初対面ですし。 -上手く出来ます? 菅野さん 運もありますよ。やっぱり。 -合わない人もやっぱり、いるときはいると。 菅野さん 勿論います。それで苦労したというのも時々聞きます。 -運も力のうち、なんですかね。テスト自体は大体、一人当たり何分ぐらいなんですか? 菅野さん 15分見積もってるみたいですね。 -演奏だけでですか? 菅野さん とおしゃべりして、面接まではいかないけど。「この学校入ったら何やりたい?」みたいなとか、簡単なことを聞かれました。 -全部で曲は、何曲演奏なさいましたか? 菅野さん 僕は4曲。5曲準備してって、2曲吹きました。 -フルで通して演奏ですか? 菅野さん 1曲フルで吹いて、モーツアルトのコンチェルトを指定されて。最初の曲は全部吹かせてくれて、モーツアルトのコンチェルトは1楽章ですね。 -面接は何か特殊なことを聞かれたりしました? 菅野さん 難しいことは聞かれませんでしたね。僕でも理解できたので。 -音楽史みたいなこととかは? 菅野さん 無いです。「この学校に入ったら何をしたいか?」みたいなことだけ聞かれました。 -試験と出願を済ませて、合否はその場で分かりましたか?後から通知ですか? 菅野さん 後から通知でしたね。ただ、その場で言われる科もあるみたいです。 -科によって違うんですか!? 菅野さん みたいですよ。楽器によって違う場合があるみたいんですね。 -フルートとかだと人数が多いからですかね。 菅野さん メチャクチャ多いです。 -受験生何人ぐらいいらっしゃる? 菅野さん 僕の時は、でも、40人ぐらいですかねえ。 -合格したのは? 菅野さん チューリッヒはマスターとゾリステンっていうのがあって、日本でいう博士課程みたいな。大学院の上の入試が一緒にやって、それが40人来て、マスターは多分3人。ゾリステンが3~4人ですかねえ。 -ゾリステンという方も演奏なんですか? 菅野さん ゾリステンは2つプログラムがあって、オーケストラディプロム、オーケストラ奏者になる為の科みたいなのと、ソリストを目指す科っていうのがあって、この2つがスペシャライズドマスターみたいな感じになってて、それが要は、ゾリステンみたいな感じで言われるんですよ。ドイツだと、コンツェルト・イグザーメンみたいな言い方をすると思うんですけど。 -凄い倍率だったんですね。 菅野さん 凄かったですねえ。 -でも、主席で受かって凄いです。 菅野さん いえいえ、まぐれです。 -いやいやいや、その後、学校の試験とかも常にトップな感じですか? 菅野さん (無言でうなずく) -カッコいい。 菅野さん いやいやいや、全然。 -凄い。分かりました。じゃあ、凄い将来が楽しみですね。 菅野さん うーんって感じですけど。 -事務手続きの面で苦労した点は何がありましたか? 菅野さん いや、それはもう出願ですね。 -出願が一番大変? 菅野さん 出願。 -エッセイ書かなきゃいけないですもんね? 菅野さん ちょっとモチベーションレターって言うんですか。「なんでここを選んだか」っていうのと「大学で何をしたいか?」「将来何になりたいか?」 -手書きでっていうやつですね。 菅野さん 手書きで。 -どのくらい準備に時間掛かりました? 菅野さん 1ケ月掛かりました。とりあえず日本語で書いて、一応つたないドイツ語書いて、語学学校出て、先生に添削してもらって、赤ペンがメチャクチャ入って。ほぼ赤ペンだったかな。最初。で直して、また赤ペン入れてもらってっていうのの繰り返しでしたね。 -でも、じゃあ凄い勉強になりましたね。 菅野さん 勉強になりました。 -じゃあ、でも出願は大変だったけど、合格してからの手続きはそんな大変でもなかった? 菅野さん スイスはビザが大変ですね。 -そうですよね。 菅野さん 大学の手続きは特に問題はなかったですけど、滞在許可証をもらうのが、もう3ケ月かかりました。 -3ケ月?出発前に、いろいろカントンに出してとかじゃなくて? 菅野さん スイス全部来た時から。はい。 -ああ、そうか。もうドイツにいらしたから?そのまま行かれたんでしたっけ? 菅野さん ドイツには8月の末まで住んで、9月1日からお引越しをして。夏、去年帰ってきて、次ビザなしでドイツに入って。でも、その時にワーホリのビザが一応失効してもらったんですよ。もうその時に突っ込まれて、「このビザは何だ」って言って。「アルバイト、仕事証を見せろ」みたいに言われて。「いや、持ってないよ」って言ってて、「じゃあ、これがあるんだ」って凄いもめましたね。 -入国の。 菅野さん 拒否されるところでした。ほんとに危なかったです。 -じゃあ、失効が伝わってなかったってことですか? 菅野さん かもしれないです。 -いい加減な。そうなんだ。 菅野さん さすがドイツだなとか思って。 -ドイツも結構いい加減なものですか? 菅野さん 適当ですよ。 -そうなんだ。一般的なドイツ人が生真面目っていうイメージは? 菅野さん イメージはあったんですけどね。もう崩れましたね。適当。 -ラテン系の適当とはまた違ったりします? 菅野さん また違う。なんか大らかな適当というか。「ああ、いいよ」みたいな。 -意外。 菅野さん 規則もゆるかったり、人によって言ってることが違ったり。 -それは、よく聞きますねえ。 菅野さん 運ですね。 -そうか。怖い、ドキドキする。それで、滞在許可を取るのが大変だと。 菅野さん メチャクチャ大変でした。 -申請をして出るまでが時間がかかるってことですか? 菅野さん いや、なんかそれがスイス滞在許可証を下りるのに、残高証明出さなくてはいけなくて、その額が2万1000フランなんですね。日本円だと約250万です。特に何も記入は無かったので、とりあえず日本の口座に250万入れて、英語で文書出してもらって。証明書を。それを出したら、「これじゃダメだ」って言われて。よくよく読んでみると、日本の銀行だったらスイスに支店のある大きい銀行。例えば、「三菱UFJとかに入れろ」って言って、文書が返ってきて、それで、そこから三菱UFJに新しく口座を作って、そこに250万入れて証明出してもらって、それを送ったら、「それもダメだ」って言われて、「なんでだ」と。そこでちょっともめて、役所に行って、「これは何でダメなんですか?」って聞かれて言って。そしたら、多分それ人が違ったのかなんか分からないですけど、「スイスの銀行じゃなきゃダメだ」って言われて、「スイスにある銀行じゃなきゃダメだ」って言われて、「話が違うじゃないか」って言って。「こっちに支店のある日本の銀行だったらいいって聞いたんだけど」って言って、「僕には分からない」とか言われて、「とにかくスイスの銀行じゃなきゃダメだ」って言われて、「新しく作りなさい」と言われて、それで作りました。銀行口座を開設して、そこに国際送金してもらって、証明書出して送って、やっとビザが来ました。 -でも、指定銀行のリストはありますよね?カントンのサイトかなんかで。 菅野さん ありました。 -みずほのなんか。 菅野さん 載ってたんですよ。UFJも。 -UFJ載ってた?あれー。 菅野さん おかしいなと思って。 -じゃあ、厳しい人だと。 菅野さん 厳しい人だと、とことん厳しいですね。 -それは、なんか呼び出し状とか来るんですか?なんか「こういうのがあるよ」みたいな。 菅野さん 手紙が来て、「これじゃあ、ビザ下せません」って。「こういう理由で」っていうのを書いて。 -その都度行って。 菅野さん はい。その都度行って。それ呼び出し状ではないですけど。自分が意味が分かんなかったら、直接聞きに行って。 -面倒臭い。 菅野さん 面倒臭かったですよ。ほんとに。 -めげそうになりますよねえ。 菅野さん はい。また、9月になったらビザ更新しなきゃいけないんで。また、国際送金しないと。 -そうか。なるほど。 菅野さん 大変です。 -ですねえ。お金の話が出てきたところで、生活費は今どのくらいで抑えてますか? 菅野さん 家賃が500フランで。800フランぐらいですかね。11万ちょっとぐらい。 -頑張ってらっしゃる。 菅野さん 頑張ってます。 -結構、食費とかも抑えて? 菅野さん もう抑えて抑えて抑えてます。 -じゃあ、全部自炊? 菅野さん 自炊。外食は出来ない。スイスは。 -どのくらいするんですか? 菅野さん そうですね。一人普通のレストランでご飯を食べたら、そうですね、30フランはいきますね。 -そんなに? 菅野さん 日本人は3千後半はいきます。絶対いきます。 -そんな高いんだ。じゃあ、普通にサンドイッチを買うとかそういうのでは。 菅野さん だったら、まあスーパーのサンドイッチだったら。 -でも、日本よりは高い? 菅野さん 高いです。このぐらいのサンドイッチが500円ぐらいですかね。ケバブはドイツの倍します。 -フラン恐るべし。 菅野さん フラン高いですねえ。ほんとに。 -そうか。大変ですねえ。 菅野さん はい。 -学費はどのくらいかかります? 菅野さん 1500フランぐらいですかね。 -1ゼメスター?年間でですか? 菅野さん 1ゼメスター。まあ日本に比べたら全然安いです。スイスはその中で1500の中に。スイス国民だったらもうちょっと安いんですよ。外人用のなんか学費があって、込みで1500ぐらい。 -授業は、どのぐらいあるんですか? 菅野さん 卒業までに取らないといけない単位があって、主管のレッスンと副管のレッスンと、あともう1個レッスンがあって、週3回は絶対レッスンがあります。あと、取りたかったらドイツ語の授業とか、選択授業も取らなきゃいけないので、結構あります。 -結構忙しそうですね。 菅野さん 結構あります。 -座って聞くとか、そういう講義みたいなのもあるんですか? 菅野さん あります。もちろん。音楽史とかもちろん。義務ではないですけど。選択授業ですから。あくまで。あとは、僕が取ってたのは、例えばバロック後期のテレマンとかエマヌエルバッハの作品を取り上げて、アナリーゼしていこうみたいな授業とかトリルのかけ方がこうだとか、アーティキュレーションの取り方がこうだとか。 -面白いですね。 菅野さん 面白いっす。凄い勉強になります。とかっていう授業がありますね。 -テストはドイツ語で? 菅野さん 勿論です。でも、あんまり試験はないですね。 -そうなんですか? 菅野さん はい。 -じゃあ、最終試験だけ? 菅野さん そうですね。その前に口頭試問があります。僕、次ゼメなんですけど。 -喋らないと。 菅野さん そうなんですよ。 -それって、何か課題を与えられるんですか? 菅野さん 10月に集中講義があって。4日間ぐらい。それが音楽史みたいな授業内容なんですけど、その中から口頭試問です。これは、もう音楽史を答えろって。 -だいぶ語らないといけないですね。 菅野さん だいぶ語らないといけない面接があって、それ落ちるとちょっとヤバイです。卒業できないです。あとは論文。 -論文? 菅野さん 論文があるんですよ。知らなかったんです。入るまで。論文書かなきゃいけない。 -何ページぐらい? 菅野さん 結構。15枚って言ってたかな。A4で。 -まあ、文字の大きさにもよりますけどね。 菅野さん フォントでかくしてやろうかなと思って。 -論文のテーマは? 菅野さん 何でもいいです。 -何でも? 菅野さん はい。勿論、音楽のことですけどね。例えば奏法とか、吹いてる時の身体の状態みたいなのでもいいし。勿論、作曲家の作品を取り上げてもいいし、何でもいいみたいですけど。 -でも、15枚。 菅野さん はい。大変です。もう。 -それも、やっぱり日本の大学と同じようにゼミの先生とかがいて。 菅野さん います。います。 -指導してもらってっていう。充実した生活を(笑)。 菅野さん とても充実してます。 -送ってらっしゃる。そうなんだ。それを全部、次のゼメスターで? 菅野さん 次で。次はもうヤバイっす。 -死にもの狂いですね。 菅野さん ほんとに。時間がない。最後のゼメスタが来年の2月から始まるんですけど、しょっぱなに卒業試験。 -しょっぱなに? 菅野さん 非公開の一回目の卒業試験があって。 -全何回なんですか? 菅野さん 2回です。ゼネスタの始めと終わりに。始めが非公開で、最後が公開のリサイタルをやって、晴れて卒業です。盛りだくさんですね。 -あっという間ですねえ。 菅野さん あっという間です。 -まだまだお楽しみがたくさん。 菅野さん ほんとに。 -でも、論文とか書けばね、語学力も相当上がるんじゃないですか。きっと。 菅野さん まず、書けるのかなあっていう心配があります。 -でも、ドイツ語のレッスンを学校の授業で取ったりは? 菅野さん してますけど。ぼちぼちなんです。 -頑張ってください。 菅野さん はい。 -日本人の留学生はどのぐらいいますか? 菅野さん 結構いますよ。ピアノ科が多いですかねえ。 -じゃあ、結構、日本人の人同士で集まったりとかも? 菅野さん もありますね。ドイツほどじゃないですけど。結構いますね。前いたフライブルクは凄い日本人がいたので、それに比べたら。 -少なめ? 菅野さん でも、結構います。20人ぐらいいるのかな。 -全学年というか。 菅野さん 全学科全コースで。 -学校の雰囲気はどんな感じですか? 菅野さん 学校の雰囲気、どうだろうなあ。環境ということですか? -なんでも思ったことでいいです。 菅野さん 校舎がばかデカいんですよ。 -大きいんですか? 菅野さん 凄いデカイんです。たぶん隅から隅まで歩いたら1万歩いくんじゃないかってぐらいデカイです。 -そんなに? 菅野さん ちょっと盛りましたけど。けど、凄いデカイんですよ。なんか今年から僕が入った年から、去年の9月から全部一つの校舎になったみたいで。 -移動してましたね。 菅野さん そうなんですよ。移動して芸術全部、音楽、美術、舞台、バレエ、デザイン、フィルム/映画等々。 -そんなにいろいろあるんですね。 菅野さん メチャクチャあります。 -楽しそう。 菅野さん が1個の校舎になって。 -そうか。なんか地図でドーンってなってましたもんね。 菅野さん はい。でも、凄い良い雰囲気の所です。トラブルもないし。 -学校の在籍してる人っていうのは、スイス人がやっぱり多いんですか? 菅野さん スイス人は少ないですね。逆に。 -留学生の方が多い? 菅野さん 留学生の方だ全然多いと思います。  -どこからの方が多いんですか? 菅野さん アジアですね。やっぱ。 -そうなんですね。 菅野さん 日本もそうですけど、中国人多いですねえ。 -メインランドの中国の方? 菅野さん そうです。 -韓国とかは? 菅野さん 勿論いますけど、やっぱり圧倒的ですね。中国は。 -人口多いですしね。ヨーロッパ系の人は? 菅野さん 勿論います。ハンガリーとか、勿論ドイツもいますし、あとフランスとか、いろんな所から来てます。 -共通言語はドイツ語? 菅野さん か英語か。 -なんか、みんなでオーケストラとかあったりする? 菅野さん はい。勿論、毎週あるわけじゃないですけど、その都度メンバーが新しく召集されて、何回か練習やって本番みたいな感じですね。  -いろんな国の人達がいることによって、大変な事はどんなことですか? 菅野さん 指揮者が、まずドイツ語喋れない人って聞くんですよ。でも、チラホラ手が挙がるんですよ。やっぱ。そういう場合は、なんかドイツ語で最初言って、もう一回英語で言い直すみたいな。 -じゃあ、ちょっと時間がかかるというか。 菅野さん ちょっと。でも、基本的に英語ですかね。みんな英語は分かるみたいなんで。僕は分かんないですけど。 -そんな。英語も上達してるってことですね。 菅野さん 理解はできるけど、喋れないです。 -なるほど。日本人特有の(笑)。そうなんですね。 菅野さん はい。 -あとは、日本と留学先で、大きく違う点はどんなことがありますか? 菅野さん 日本帰ってきて思ったんですけど、いろいろ違うなと思って。まず、電車が混んでる。 -こんな混んでないですか? 菅野さん 凄い苦労しました。ここまで来るのに。 -本当ですか? 菅野さん こんな混んでたっけと思って。 -あさ早いですしね。 菅野さん はい。ビックリしました。 -こんな密集してないってことですか? 菅野さん してないです。 -もっとまばら? 菅野さん もっとまばら。全然まばらです。 -なるほど。 菅野さん はい。あとは、なんかやっぱり日本人ってせかせかしてるなあと思って。 -ああ、それもやっぱりよく聞きますよねえ。 菅野さん 凄い思いました。日本帰ってきて。今。  -もっとのんびりしてる? 菅野さん のんびりしてるし、って言うか仕事しないし。 -本当ですか?スイス、そんなイメージなかったです。 菅野さん 全然っす。全然ではないけど。 -お店とか終わるの早いんですか? 菅野さん もう20時にはもうみんな。 -土日も休みとか? 菅野さん 土曜日はやってますけど、18時には閉まりますかねえ。勿論、お店にもよりますけど。日曜日はもう基本的に。 -全然? 菅野さん 全然やってない。 -そうなんだ。 菅野さん だから、日本のコンビニって有難いなと思って。夜もやってるし、いつ行ってもやってるし、品揃えいいし、安いし。 -コンビニめいたものは一切ない? 菅野さん コンビニめいたものは、キヨスクっていうのが一応あってメチャクチャ高いんですよ。 -そうなんですか。 菅野さん 例えば、500ミリリットルのコーラがスーパーだと1.3フランなんですけど、キヨスクだと3.5フランになるんです。倍以上。 -なんでそんな価格が違うんでしょう? 菅野さん 分かんないです。勿論、全部の値段が違うんですよねえ。スーパーと。 -そうなんですか。 菅野さん サンドイッチもメチャクチャ高いし、キヨスクで買えないです。 -非常事態にしか。 菅野さん ほんとに非常事態にしか使えないです。 -違うんですねえ。 菅野さん はい。 -不思議。 菅野さん ほんとに不思議です。 -練習はどのようにされてますか? 菅野さん 引っ越す前は、僕、5月に引っ越しをしたんですよ。御社で探して頂いたビンタテゥーアの物件は家でも練習が出来てので、大家さんがメチャクチャ良い人で。今もたまに連絡を取ったりするんですけど。その大家さんは部屋でやっていいよと。 -時間は? 菅野さん 朝8時から夜11時ぐらいまで。 -隣近所からどうのこうのとかは? 菅野さん 僕がいる間は全然なかったですねえ。はい。 -結構、お家が離れてるとかですか? 菅野さん そうでもないですけど。日本ほど近くもないですけど。でも、そんな離れてるわけでもなく。でも、全然苦情が来なかったし、大らかなのかなあと思って。 -お上手だったからかしら? 菅野さん 僕が上手いとか全然そんなんじゃないです。絶対違います。今住んでる所は、今、学校から自転車で20分ぐらいのとこに住んでるんですけど。今、チャリ通してるんですよ。 -チャリ、取られたりしないんですか? 菅野さん 頑張ってます。 -鍵かけて。 菅野さん 鍵かけて。ぐるっぐるに巻いて。やっぱあるみたいで。 -絶対ありそう。 菅野さん はい。 -学校に駐輪場とか? 菅野さん 勿論あります。家にもあって、家では今練習ができないので、その分学校で。はい。 -学校の練習時間っていうか、可能な時間とかは? 菅野さん 24時間使えます。学生は。 -守衛さんかなんかいるんですか? 菅野さん 勿論いますけど。学生証があって、学生証をかざすと開くっていうシステム。ここに番号とかが付いてて、これ当てると。 -柄がオシャレ。 菅野さん ねえ。  -ステキ。 菅野さん 僕、凄い痩せたんですよ。 -確かに。 菅野さん はい。 -あれっ?こんなにふくよかでした?あれっ?そうでしたっけ? 菅野さん これ、去年ですよ。これ。 -でも、確かに去年、お目にかかった時に太ったって仰ってた。 菅野さん はい。それが10キロ痩せました。スイスで。 -自転車で? 菅野さん 分かんない。何ででしょうねえ?あんまり食べなかったから、食欲も落ちていって。一日一食あればいいようになっちゃって。 -大丈夫なんですか? 菅野さん 分かんないっす。まあ、でも。まあまあまああ。 -この夏日本でまた戻して。それで。 菅野さん そうですね。絶対戻ります。で、スイス帰って、また痩せて。 -学校のある日の一日の大体のスケジュールを教えて下さい。 菅野さん 朝6時半頃起きて、お昼と夜のお弁当を作って、学校行って1日こもります。でも、その間にレッスンとか授業とかあって練習して、日付が変わるぐらいに、23時ぐらいに帰ってきて寝る。 -凄い。1日練習何時間ぐらいやってるんですか? 菅野さん 6時間ぐらいですか。それでも最低6時間。 -凄い。 菅野さん いやいや。ストイックにやっていかないと。 -その考え方は留学してから身に付いたものですか?それとももともとそういうストイックな所があったのでしょうか? 菅野さん もともとちょっとあったと思いますけど。今、もう完全にもう。なんか勿体ないですよね、なんか。せっかくその留学してレッスン受けれてって。毎週レッスンがあって、なんか毎回毎回同じ曲持ってって同じこと言われてじゃあ、凄い勿体ないじゃないですか?時間も限られてるし。だから、なるべく吸収して、早く次の曲次の曲ってやっていかないとなあと思って。 -偉い。 菅野さん いやいや。勿体ない。 -そうですか。 菅野さん 全部そこです。  -なるほど。 菅野さん 勿論、上手くなりたいっていうのもありますし、とにかく勿体ない。時間が。 -じゃあ、曲が仕上がったら、先生が「じゃあ、次行こう」っていう風におっしゃるんですか? 菅野さん それは自分のさじ加減ですけど。先生は別に何を持ってきてもいいみたいな。だから、いるんですよ。何回も同じ曲を持っていく生徒も。なんか2週間に1回クラス内でおさらい会みたいな、みんなの前で曲を弾くっていう機会があるんですけど、1カ月経ってもまた同じ曲やってみたいなのもいます。だから、「なんかちから払うの早いよね」とか言われるんですけど、「普通だよ」とか言って。そう。時間を無駄にしたくないんで。全てそこです。 -なるほど。日曜日とかも? 菅野さん もう全然学校にいます。日曜日こそ1日こもりますね。何にもないんで。お店もやってないし、娯楽もないし、高いし。日曜日こそ。 -映画観に行ったりとか、そういうこともせず? 菅野さん しないですね。 -偉い。なるほど。分かりました。あと、現地の音楽業界の伝手とかは、学校にいることによって出来たりはしますか? 菅野さん 先生からたまーに仕事をもらったりとか。 -オケの? 菅野さん オケではないですけど。小さい小さいほんとに教会で吹くとかですかねえ。なんか真面目にやってれば見ててくれる人がいるんだろうなあっていうのは凄い思いましたね。一年で。ひたすら真面目に。 -精進の道ですね。 菅野さん そしたら、なんか声はかかる。それを期待してるわけじゃないですけど、勿論。でも、そういう事もあると。はい。 -オーデション受けに行ったりとかは? 菅野さん しますします。勿論、コンクールも。先生がもういくらでも受けろと言う先生で。先生によっては、まだ今は基礎をやりたいからちょっと待てみたいに言う先生もいるんですけど。僕の場合は、どんどん受けてこいって言って。 -それは、やっぱりヨーロッパ方面で。 菅野さん そうですね。はい。大変でしたね。大変でした。 -どの辺が大変だったですか? 菅野さん 4月なんか1ケ月で3回コンクール受けたんですよ。 -授業もありつつ? 菅野さん ありつつ。勿論。レッスンも行きつつ、終わったらすぐ帰ってきて授業受けて、レッスン受けて、またすぐ行ってみたいな。4月は大変でした。 -スイス外で? 菅野さん 内外で。4月の頭にスロベニア、中頃にオランダ、終わりにスイス国内のコンクール。 -コンクールも、またいろいろ面倒臭そうですよね?手続きとかもね。 菅野さん 慣れてきましたけど。 -結果は上々でした? 菅野さん スロベニアがメチャクチャ良かったですね。 -凄い。おめでとうございます。 菅野さん まぐれです。まぐれです。 -賞金とかも? 菅野さん 賞金はまあ微々たるものでした。まあ10万ぐらい。 -お仕事もらえるとか? 菅野さん そうですね。今度、ポーランドのオケでコンチェルトやります。 -凄い。 菅野さん 副賞で。 -いつですか? 菅野さん 11月かな?もう、すぐ決まりました。 -凄い。ご活躍じゃないですかあ。 菅野さん いやいやいやいや。 -素敵ですね 菅野さん スロベニアのコンクールは大変でした。木管楽器部門っていうのがあって、フルート部門だけじゃなくて、年齢別のカテゴリがあるんですよ。僕は、年齢制限がない一番古いカテゴリに出たんですけど。そこのカテゴリの中から、一人だけファイルなるに進めるんですね。だから、何部門あったのかな?7部門ぐらいあって、年齢別で。カテゴリがあって。勿論、該当者がいなかったカテゴリもあるんですけど、大体1位が出てきて。あと、金管部門と室内楽部門からもカテゴリ別に全部1位が出てきて、そのファイナルがあって大変でした。 -なんか、そこまで幅広いと判断しにくそうな感じもしますよねえ。 菅野さん ねえ。どういう判断基準なんだろうなあと思って。 -でも、まあそれで結果が出たと。 菅野さん はい。僕は、その中でグランプリを頂きまして。 -おお!!凄い。素敵。いいですねえ。 菅野さん 第1位ですね。 -カッコいい。凄い凄い。それ木管楽器の部門の中の? 菅野さん 1位です。 -1位だし、金管楽器全体の中での1位? 菅野さん 1位です。 -凄い。コンチェルトが出来ると。 菅野さん はい。 -素敵。 菅野さん ポーランド行ってきます。11月に。 -寒そうですが気を付けて。 菅野さん ですよねえ。もう。 -ポーランド結構、やっぱり治安とか。 菅野さん ポーランドはどこなんですかねえ? -ドイツの隣? 菅野さん ドイツの隣、チェコじゃないかったでしたっけ? -チェコも隣だし。 菅野さん こっちか。ドイツがあってチェコがあって、こっち? -とかだと思いますよ。 菅野さん こっちか。東欧か。 -東欧です。東欧です。 菅野さん どこにあるかも知らないです。 -治安面では、たぶんスイスより若干危ないんじゃないかと。 菅野さん スイス治安いいんで。 -スイスはスリとか全然いないですか? 菅野さん なくはないですけど。でも。 -日本と比べたらどうなんですか? 菅野さん 日本の方がいいです。日本もなんか変じゃないですか。最近。 -まあね。 菅野さん 物騒ですけど、日本の方がいいかなあ。 -どの点で?物乞いの人があんまりいないとかですか? 菅野さん スイスは物乞い自体いませんね。物価が高いんで、浮浪できないんですよね。こうやって街頭で集めるその微々たるお金じゃ生活もできないんで。ほんとに。サンドイッチすら買えないんで。ほんとに。だから、いないですよ、基本的に。浮浪者とか物乞いは。ですね。ただ、その浮浪者もちゃんと生活できてる日本は凄いなあと思います。やっぱり。 -そうなんだ。分かりました。あと、学校の中で、皆さんのお勉強の態度っていうのは、日本と違う点はありますか? 菅野さん でも、やっぱり音楽を勉強しに来てるんで、モチベーションは日本の音大よりも絶対高いと思います。ただ、その中でもやっぱりピンキリはあります。でも、みんな積極的だと思いますよ。 -なんか海外の人達と付き合ってくのに、上手くいくコツとかは何かありますか? 菅野さん ノリですかね。 -勢いでってこと? 菅野さん 勢い。 -あまり考えるなってこと? 菅野さん あんまり考えるなってことですね。なるようになります。 -そうですよね。なるようにしかならないしね。あと、留学して良かったと思える瞬間はどんな時ですか? 菅野さん もういっぱいありますよ。いっぱいってこともないな。例えば、海外のコンクール受けて結果残した時もそうですし、あとは、教会で吹いたりするんですけど、日本じゃないじゃないですか。教会自体も少ないし、その中でバッハとか吹いて、「300年前もこんな感じだったのかなあ」とか思ったりして。そうすると、なんか気持ち的に豊かになります。日本じゃあ、ちょっと味わえないかなあと。 -やっぱり、音の響きとかも全然違います? 菅野さん 違います。  -湿度とかの関係?建物? 菅野さん 建物なんかちょっとホコリっぽいんですよね。臭いが。分かります?なんか。空調も勿論ないんで。まんま石みたいな。その感じがいいんですよねえ。また。分かります? -分かります。分かります。教会は結構いっぱいあるもんですか?ゴロゴロ。 菅野さん もうメチャクチャあります。ゴロゴロあります。こういう建物は大体教会です。結構ツンツンしてるんで。 -街並みの写真とか、あれ三角のがそうですね。 菅野さん 街の中にも普通に教会があって。礼拝とかあるのかな。日曜礼拝とか普通にやってるみたいなので、至る所にあります。 -教会でやるコンサートって、どのくらいの毎週やってるものとかそういう感じなんですか? 菅野さん 毎週ではないと思うんですけど、例えばちょっとミサをやったりとかかなあ。毎週やってる所もあるのかなあ。分からないですけど。でも、結構やってるとは思います。教会で演奏会をやったりするんですよ。礼拝とかとは全く別で、演奏会をやる。 -場所として借りる? 菅野さん そうそうそう。場所として演奏会をやったりとかして。いいですねえ。 -確かに、日本では出来ないことですね。 菅野さん 出来ないですねえ。はい。 -分かりました。あと、留学して変わった点とか成長したなあっていう所はどんな事がありますか? 菅野さん やっぱりストイックになりましたね。成長した所、たぶん何があっても動じないと思います。今。例えば、なんか予想外のことが起きるんだよ。やっぱり。「なんでそうなるの?」っていうのがあるんですよ。ビザのことに関してもそうですし、手続きが遅かったりとか。「なんでそうなるの?」っていうのが多々あったしね。ドイツに行った時もそうだし、だから、あんまそのぐらいと思って流せると思います。 -なるほど。肝が据わったというか。 菅野さん というか何というか。ですかねえ。 -やっぱり皆さん留学した方、皆さんお話聞くと、多少のことじゃあ動じなくなるっていうのは共通しておっしゃってることですねえ。 菅野さん やっぱなんか些細な事だなあと思って。 -広い世界が見えて。 菅野さん まあ、このぐらいいいじゃんって感じになりますね。 -なるほど。大らかな気持ちに。 菅野さん 大らかというか何というか。 -分かりました。 菅野さん はい。 -あと、今後の進路はどういう風なことを考えてらっしゃいますか? 菅野さん 来年卒業なんですけど、あと2ゼメで卒業なんですけど、さっき言ったスペシャライズドマスターというのに取り敢えず進学しよいうかなあと思ってて。最初は、やっぱり日本帰ってきたいなあと思ってたんですけど、やっぱり留学してると、もっとこっちにいたいなあと思うようになってきて。 -ですよね。 菅野さん スイスは2回大学修士課程をやると、もう大学に行けないんですよ。その大学を変えるとかじゃなくて、スイス国内で2回修士課程をやるとダメなんですよ。そのスペシャライズドマスターというのは一応マスターに入るんで、2回やったらダメなんですよ。だから、あと3年あるんですけど僕、スペシャライズゾマスター2年と残り1年。その間になんとか仕事というか見つけられたらいいなあと。スイス国内じゃなくても。勿論オケで。向こうでソリストとして食ってくのは凄い難しいと思います。オケ入るより難しいんじゃないかなあと思います。分からないですけどね。やっぱり自分マネージメントしてないととかいろいろ。はい。と思います。 -スイスはオケはの数などは?やっぱり、ドイツとかの方がオケの数は? 菅野さん ドイツの方がそれは多いですけど、でもやっぱり上手いです。 -じゃあ、出来ればスイスで? 菅野さん スイスで。収入の面でも。 -上の方に上がるっていうのは、ご両親はいいよと? 菅野さん 好きにやんなって。 -結構、ご理解のあるご両親で佳かったですね。 菅野さん ただ、やっぱりあんま迷惑かけたくないので、返さなくていい奨学金とかを借りれたらいいなあと。例えば、文化庁とかヤマハ音楽財団とか。それに通る為に、今、コンクールをメチャクチャ受けてます。 -そうか、そういう事なんですね。 菅野さん はい。なんとか結果を残さないと。 -そうですね。履歴書上が華々しかったら、審査変わってきますもんね。 菅野さん 「じゃないとダメです」って文化庁の人に言われて。「じゃないと通りにくい」って言われて。だから。キャリアが大事と。 -なるほど。キャリアアップを。 菅野さん はい。今、計ってます。 -素晴らしい。最後になりますが、これから留学したい人へのアドバイスを。 菅野さん とりあえず、海外に出ることじゃないですかねえ。 -まずは。 菅野さん はい。なんか、僕、海外に出るって決めるのに凄い時間がかかったんですよね。結局、ズルズルズルズル行って。 -あれっ?行くって仰ってたけど、あれっ?今回結局行ないのかしら?という時期がありましたね。 菅野さん そうそうそう。凄い、要は怖かったんですよ。なんか。怖かったっていうか、ビビッてたっていうか。やっぱり、自分の知らない世界だし、言葉違うし、文化違うし。だから、やっぱりなんか最初の一歩っていうのがなかなか踏み出せなくて。でも、行ってみたら何のことはなくて。何のことはないわけではないですけど、思ってたより「あっ、こんなもん」みたいな感じ。日本で悩んでたこと、「いろいろ大丈夫かなあ」みたいなあ。来てみたら全然ってことがあるので、悩んでたら取り敢えず、その語学の準備でもいいし、いきなり受けるでもいいし、とにかく出ることじゃないですかねえ。海外に。じゃないと始まらないと思います。日本でウジウジしてても。これほんとに。体験談です。 -声を大にして。 菅野さん ほんとに早く行っとけばよかったなって思います。勉強する時期が早ければ早いほどやっぱりいいので。それは後悔してます。 -うん。なるほど。卒業してすぐ、あれっ?1年ありました? 菅野さん 1年空きました。1年大学院に行って、辞めて。その1年がなかったらって思うと。1年間無駄にしたって思ってませんけど、でもやっぱり1年間こっちの大学に行くんだったら、海外に行っといた方がよかったなあって思うんですよね。やっぱり。 -ですねえ。飛び出す勇気が必要と。 菅野さん と思います。その後のことは、その後考えればいいです。 -そうねえ。まだ起きてないことをゴチャゴチャ考えるよりもね。そうですね、確かに。 菅野さん それは凄い学びました。受験の準備をしてる時に。 -物事シンプルに考えて、専念することに専念すれば。 菅野さん そう。ほんとに。いいんです。それで。 -なるほど。分かりました。 菅野さん はい。 -重みのある言葉を頂きありがとうございます。 菅野さん いえいえいえ。こんなんでいいんですかね? -こんなんで大丈夫です。今後も頑張って下さいませ。 菅野さん 精進します。 -ありがとうございます。 ■■■コンサート情報■■■ Capricinq Ensemble 【日時】7月27日(月) 18時30分 開演 (18時00分 開場) 【出演】Flute 菅野 力 Oboe 久保 一麻 Clarinet 野田 祐太郎 Horn 大河原 頌太 Fagott 森田 大翔 【曲目】 ☆W.A.モーツァルト//自動オルガンのためのアダージョとアレグロ K.594 ☆C.ドビュッシー//小組曲 ☆M.ラヴェル//クープランの墓 ☆F.メンデルスゾーン//弦楽四重奏曲 第1番 【場所】ミューザ川崎 市民交流室 [JR川崎駅より徒歩5分] 【料金】 ¥2,000 チケットのお問い合わせは、このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。までお願い致します。 菅野力 フルートリサイタル 【日時】8月4日(火) 18:00開場 18:30開演 【場所】江崎ホール 【共演】山本詩織(ピアノ)、Capricinq Ensemble 【曲目】藤の蔓は天に絡まり...フルートとピアノの為に(山下久幸)、Suite Op.34(ヴィドール) ほか 【料金】 一般2,000円 大学生以下1,500円   【問合せ先】 菅野 TEL054-667-2670(18:30以降) 

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