澤田湖都さん/ピアノ/青少年のためのシュリッツピアノ夏期講習会/ドイツ・シュリッツ

Image澤田湖都さんプロフィール
5歳からピアノを始め、現在中学2年生。
2007年、毎日全四国音楽コンクール本選入賞。
 
-まずは簡単な自己紹介をお願いできますか?
 
澤田  澤田湖都、13歳です。出身地は愛媛です。ピアノは幼稚園から始めて、今も先生についてレッスンしています。
 
-今まで講習会などに参加されたことはありましたか?
 
澤田  ないんです。
 
-では初めての講習会だったのですね。海外には行かれたことは?
 
澤田  旅行などで3回ほどありましたが、ドイツは初めてでした。
 
-このシュリッツの講習会は、湖都さんご自身で受講を決められたのですか?
 
澤田  両親がいくつか候補を選んでくれて、その中から決めました。
 
-この講習会を選ばれた理由はなんでしょう?
 
澤田  一番の理由は日時の関係なのですけど(笑)、先生がとても有名なので、ぜひみていただきたいと思いました。
 
-チャレンジ心ですね!今回の講習会は、何人くらいの参加者がいましたか?
 
澤田  生徒さんは25~6人でした。
 
-どの地域の人が多いなどありましたか?
 
澤田  日本人は私を含め2人だったのですが、もう一人は男の子でドイツに住んでいる方でした。日本からの参加者ということで言えば、中国国籍だけれど日本から参加されていた子がいました。ほとんどがヨーロッパの方で、スペインやロシアの方が多かったです。
 
-講習会のスケジュールはどんなかんじですか?
 
澤田  殆ど休みがありませんでした!レッスンは毎日で、講習会とか、ご飯やミーティング、英会話などぎっしりで…土日などは関係なく、基本的にはずっとシュリッツにいました。
 
-レッスンはプライベートレッスンですか?
 
澤田  グループに分けられていました。グループの中でレッスンが順番にまわってくるみたいなかんじで、レッスンを見ていただく時は一人ずつですが、他の人のレッスンも見ていました。
 
-かなりのハードスケジュールのようですね、練習時間はとれましたか?
 
澤田  レッスンのあと自由時間が多かったのでそのときとか、ご飯のあととか、合間をみつけて練習しました。
 
Image-練習室は結構ありましたか?取り合いにならなかった?
 
澤田  紙がはられていて2時間おきに区切られていて、予約をして部屋をおさえるシステムでした。練習室の数はいっぱいありました。
 
-語学のレッスンはどうでした?
 
澤田  最初にテストがあって、クラスにわけられました。あまりできなかったのですが…先生がやさしかったです。英会話は毎日朝ありました。
 
-実際にピアノのレッスンをつけてくれた3名の先生方はどうでした?特に印象に残った先生はいらっしゃいますか?
 
澤田  やさしくて、ニコニコしてて(笑)。グルツマン先生が一番印象的でした。日本ではあまり指導されない手首の使い方とか、いろいろな指導があって、楽しかったです。
 
-レッスンは英語ですか?
 
澤田  はい、英会話でした。難しくて分からないときもあったのですが、先生に師事している生徒さんに東京の方がいて、通訳してくれたので、助かりました。その方の通訳がなかったら、難しかったかなと思います。
 
-どんなことを教わりましたか
 
澤田  息づかいとか、難しかったです。
 
-遊びにいく時間もあった?
 
澤田  ルームメイトとゲームやお散歩などはできました。私と、ドイツ人とマレーシア人の3人部屋でしたので、けっこう仲良くなれました!皆で1日フルダにお城めぐりにも行きました、バスツアーで。
 
-シュリッツという場所の印象はどうでした?
 
澤田  綺麗なところです、空気も良いし。地元の人は皆優しくて、道など教えてくれました。
 
-講習の会場は?
 
澤田  お城みたいなところで、広かったんですよ!舞台とか、ヨーロッパっぽくて…
 
-他に印象に残ったところはありますか?
 
澤田  歩いて5分くらいの近くにドラッグストアがあって、お買い物によく行きました。お菓子の入っている量が多くて(笑)。便利でした。
 
-宿泊先は講習会場の近くですか?
 
澤田  生徒さんの寮のようなものがあってそこに泊まりました。30秒くらいで教室にいけるかんじです。
 
-お部屋のようすは?
 
澤田  おしゃれで、雰囲気が良い3人部屋でした。お部屋の中にキッチンやお風呂はなくて、トイレはあります。寮ってかんじです。消灯時間はなくて、夜も自由でした、楽しかったです。
 
-食べ物について ごはんはいかがでしたか?
 
澤田  パンとハムとチーズでした。野菜が全然なくて、魚がないし卵は一回もでなかったです。毎日メニューは違うけど、材料は同じみたいな(笑)。お菓子でなんとかしてました(笑)。
 
-お夕飯は外へいったりできるのですか?
 
澤田  最後の日はフェアウェルディナーがあって、皆で近くの小さなピザやさんに行きました。私たちの分の料金はツアーに含まれていました。お母さんも一緒に参加できるのですが、料金は別途で6-7ユーロくらいでした。すごくおいしかったです。
 
-コンサートがあったと聞きましたが、お食事とは別に?
 
澤田  コンサートは3回ありました。ご飯は食べてから行きました。
 
-出演はされましたか?
 
澤田  1回出ました。
 
-演目は?
 
澤田  ドビュッシーの「ピアノのために(Pour le piano)」より「Prelude」です。講習会が始まって1週間目くらいにありました。少し先生の指導を受けてから、コンサートに出るというかんじでした。緊張しました…でも間違えもなく弾けました!お客さんは外部の人もいて、地元の方など大勢いらっしゃいました。
 
Image-海外でのコミュニケーションでのコツなどはありますか?
 
澤田  自分から話しかけることかな…皆、積極的な人が多くて、積極性が大事だと思いました。身振り手振りで、がんばりました。
 
-身振り手振りは通じましたか(笑)?他には?
 
澤田  なんとか通じました!あとは、ゲームを持っていったら、一緒にやれるので、良いですよ。私は普通の携帯電話を持っていったのですが、皆アイフォンを持っていて、よくアイフォンでゲームをしました。
 
-留学中に困ったことはありましたか?
 
澤田  英語が難しくて、初日はどうしようと思いました。だんだん話せるようになってきて、最後には楽しかったのですが、語学は大事だと思います。
 
-講習会に参加して良かった点は?
 
澤田  わりと褒めてもらうことが多くて、すごく嬉しかったです。先生が、自分の家から楽譜を持ってきて下さったり、細かいところもよく見てくれたり、とても熱心でした。音質など、いろいろな細かな点を認めて褒めてくれました。
 
-今、帰国して1ヶ月くらいたちましたが、自分で変わったな・成長したなと思うところはありますか?
 
澤田  皆自分の意見を持っているので、考えなきゃいけないなって思いました。皆主張があるので。
 
-ピアノの面では?
 
澤田  けっこう練習時間が増えました。また講習会に参加したいです。場所は…違うところでもいいです(笑)。一度海の近くに行きたいです!
 
-日本と留学先で大きく違う点は何ですか?という質問がきています、どうでしょう?
 
澤田  皆すごくズバズバ言うし、考え方もきまっているし、大人っぽいです。15~6歳の人が多かったからというのもあります。一番年下の子は12歳でした。
 
-同じ世代の方や、今から留学する人へ何かアドバイスはありますか?
 
澤田  英会話はやっておいたほうがいいいです。それ以外は、練習していけば心配しなくても大丈夫です。私も英語は好きで、英会話はやっていたのですが、やっぱりしゃべる速度が速いし、語学の準備はあったほうが絶対いいです。あとは、一人でも行動できることかな。一人行動ができないと無理だと思います。皆、仲は良いけれど、一人で考えたり、自分から行動したりする場面が多いので。
 
-他に留学前にやっておいたほうがいいことはありますか?
 
澤田  毎日練習なので、曲は多めに持っていったほうがいいと思いました。私は4曲持っていって、なんとか足りたのですけれど、3日に1回くらい先生が代わるし、1日で1曲指導の先生もいらしたので、多めに準備したほうがいいと思いました。
 
-今後の目標は何でしょう?
 
澤田  音楽の方に進みたいです。これからもピアノは続けていきたいです。演奏活動していけたらいいな、というのが夢です。パリのコンセルヴァトワールに留学してみたいです、とても難しいですけど(笑)。
 
-これからもがんばってください、本日は長いお時間ありがとうございました!

葉玉洋子さん/サンタチェチリア音楽院声楽教授/イタリア・ローマ

「音楽家に聴く」というコーナーは、普段舞台の上で音楽を奏でているプロの皆さんに舞台を下りて言葉で語ってもらうコーナーです。今回、で声楽の教授としてご活躍中の葉玉洋子(ハダマヨウコ)さんをゲストにインタビューさせていただきます。「音楽留学」をテーマにお話しを伺ってみたいと思います。
(インタビュー:2012年5月)
  ―葉玉洋子さんプロフィール―
福岡県出身、広島大学高等教育学部音楽科卒業、大阪音大専攻科終了。大阪芸術大学音楽課声楽科講師。イタリア、ローマサンタチェチリア音楽院、サンタチェチリア アカデミーで学び、ローマを中心にイタリアの重要な国立歌劇場で数多くのオペラを歌う。パルマ国立音楽院、ボローニャ国立音楽院声楽科教授を歴任後、現在ローマ・サンタチェチリア国立音楽院声楽科専任教授としてイタリアベルカント唱法、イタリア、フランスドイツオペラを教えている。 -まずは、葉玉様の簡単なご経歴を教えていただけますか。

葉玉  イタリアに35年住んでいます。福岡県の出身です。広島大学を卒業したあと、大阪音大の専攻科に行きまして、そのあと大阪芸術大学の声楽科で2年間教えました。その後ローマに留学してローマ・サンタチェチリア音楽院に入りました。在学中に国際コンクールで第1位になり、すぐにイタリアの国立歌劇場で歌い始めました。成功の一番の要因は、ペーザロで開催される非常に重要なフェスティバル、第1回ロッシーニ・オペラ・フェスティバルの主役に抜擢されたことが大きいですね。そのことが、イタリア中の新聞に書かれたところから始まりました。

-プロの歌手としてご活躍されるようになったきっかけはありますか?

葉玉  国際コンクールで1位になって声がかかるようになり、最初はロッシーニのオペラばっかり歌っていたところ、ペーザロの主役に抜擢されたわけです。その後は、イタリア中の国立オペラ座から呼ばれて、たくさんのオペラ座で歌うことができました。ヴァチカンで、ローマ法王御前演奏、ヨーロッパ青少年オーケストラと競演したり、イタリア各地を回ったりもしました。コンサート、主にオペラを歌っていました。
そのあとに、国立音楽院の声楽の教授になる国家試験を受け、通りまして、パルマ、ボローニャ、そして今はローマのサンタチェチリア音楽院声楽課選任教授として教えています。

-出身の音楽院ですね。最初のローマへの留学のきっかけはあったのでしょうか?

葉玉  友達が留学先のローマから帰ってきて、色々なローマでの音楽文化の世界を話してくれて、それを聞いたら、行きたいなあと思って。最初からローマに行きたいと思いました。

-最初に音楽の世界に入られたのはいつからでしょう?音楽に興味をもたれたきっかけはありますか?

葉玉  両親がクラシックをとても愛していまして、小さな頃から、親しんでおりました。母がピアノを、おばがバイオリンを弾いておりました。

-音楽一家だったのですね!

葉玉  そうですね。小さな頃から、色々な楽器を習いました。ピアノ、バイオリン、フルート、歌も大好きで、機会があれば色々なところで歌っていたんです。小さいときから、音楽家になることは、わたくしにとって普通のことだったわけです。

-たくさんの楽器の中から声楽をえらばれたのはなぜ?

葉玉  歌が大好きだったんですね、楽しくて。バイオリンは毎日6~7時間は勉強しないと、プロにはなれません。遊ぶ時間がなくなるので、バイオリンではプロにはなれないと思っていました。遊びたかったんですね(笑)。とにかくビバーチェ、活発な少女でした。スポーツもやりましたし、家の近くで蝶々取りや、木を登ることが大好きでした。オペラを歌うのには体の動きが重要ですので、スポーツ・体操のニュアンスも非常に大切です。日常生活での体の動きは小さなものだと思うのですが、オペラでは大きく動くことが大切です。
声楽というのは、高校に入るころ、15~16歳くらいでは、まだ早いんですよね、高校の3年生から正式に声楽の勉強を始めました。幼少時は、小さかったから声楽を勉強する歳になってなかったので、楽器を習ったということです。バイオリンやフルートは、レガートを勉強するのに非常に良かったです。イタリアでは、カンターレ・エ・レガーレ(Cantare è legare)と言うのですが、歌うのはレガートすることだ、と特に重要視します。のちに声楽を勉強しはじめたときに、感覚がもうすでに体の中に入っていたので、とても助かりました。

-昔やっていたことが全部つながって役に立っているんですね。

葉玉  呼吸法は、フルートが同じなんです。横隔膜を使う、長い、長い呼吸法ですね。色々な面で、楽器を経験していたのは有利だったと思います。

-声楽を勉強するにあたってイタリアに渡られました、イタリアのよい点は?

葉玉  イタリアは、全ての音楽の形式が生まれた国なんです、オーケストラ、シンフォニー、コンサート、様々な楽器…ここから生まれているんですね。イタリアで生活していると言葉自身が非常に歌にあった言葉だと分かりますし、歌を勉強する人は一度は勉強にいらしたほうがいいと思います。言葉そのものが音楽ですので。
弦楽器も全てここから始まっています。レガートを大切にする文化、声楽でも楽器でも音楽にはレガートがないといけませんし、楽器を弾いている先生たちもすごくレガートを大切にしますので、その勉強にはイタリアが一番だと思います。テクニックはアメリカなどが非常にありますけれども、楽器を歌わせることに関しては、イタリアが一番だと思いますね。アメリカはテクニックを非常に大切にする国ですね、イタリアでは、例えばリズムがちょっとおかしくても、(楽器が)すごく歌っていればそれを認めますので、レガートをすることが一番なんですね。とにかくまずはレガートを学ぶことが基本ですね。その上で、他の国をまわることも非常に有意義だと思います。
歌の場合は、大半のオペラはイタリア語ですので、イタリアで生活していないと、ニュアンスが出ないんです。言葉に沿って作曲家は作曲していますので。違った言語の人がオペラを歌うと、どうしても変になる。歌を勉強する方たちは一度はどうしてもイタリアで生活しないと、と思います。

-イタリアでも他の国の歌曲なども勉強されるんですよね?

葉玉  もちろん私もドイツの歌曲、フランス歌曲も教えます。こちらではフランス歌曲はとても重要視されています。でも、ドイツ歌曲ではメロディが一番大切になる。ドイツと比べますと、歌う方法が違う。ベルカントの唱法で息の上にのせる歌い方、というのがあります。呼吸、今はドイツもそれを取り入れていますが、20~30年前までは呼吸法が少し違っていました。ちょっと高い、支える場所がちょっと高くて、そのために声がちょっと硬くなるわけです。支える位置が低いほど、声が柔らかくなる。全ての共鳴腔を使いますのでね、柔らかくなるわけです。今はドイツでも、ヘルマン・プライ以降は、発声がすごく柔らかくなったと思います。

-イタリアの悪い点は何かありますか?

葉玉  イタリアの悪いところは、政治が援助をしない点ですね。私が来た当初は、オペラ座はたくさん開いていてシーズンがあったんですけれど、今は本当に少なくなりました。オーケストラの数も少なくなりました。それは本当に良くないと思います。伝統的な文化にお金をかけないのは非常に良くないですね。国にお金がなくて、政治家には賄賂の問題がすごくあります。本来ならば、文化にお金を投資すると、旅行者などによってもお金が還元されると思うのですが、目先のことにのみ気をとられているというか、長い視野に基づいたプログラムができない国民なんです。

-どこもにたりよったりのところがあると思います。古い劇場のとりこわしに対しての署名運動など、日本も同じですよ。

葉玉  本当に残念です。

-イタリアを留学先として選ぶ場合、特に声楽の場合は選ばれる方が多いと思うのですが、準備などで重要なことはありますか?

葉玉  第一番としては、語学を勉強してきてください。イタリアの歌を歌うためには非常に重要です。語学が分かっていないと、イタリアの歌にはならないので。
加えて、映画でもテレビでも良いのですが、ヨーロッパ人の体の使い方を良く観て、研究して来てください。日本人とは全く違いますね。日常生活でも大分違います。何とかして真似るようにできると、本当に役に立つと思います。日本人は動作が小さいのですね。体を大きく開けて。そして絶対にしゃがまないように。例えば、何か物を落としたときに、日本人はしゃがんで取りますよね、それはこちらではサマにならないので、絶対にやらないようにしてください(笑)。腰を下ろさないで。足を曲げても良いですけれど、いつも背筋をまっすぐにして、おしりをぐーっと下に下ろさないこと。日本から来た若い子を見ていると、何か書くときになど、すぐにしゃがんじゃうんですね(笑)。
それとやはり、体づくり。何かひとつ、体操、スポーツなどをして、横隔膜を強くしてこちらに来ると、ベルカント唱法が楽に自分のものになるはずです。

-そもそも、会話をするときの声の大きさなども違うイメージがありますが?

葉玉  イタリア人は、横隔膜を使ってしゃべりますね。イタリア語自身が顔の前面にあたるようになっているんです。ずっと共鳴腔を使いますので、それが大きな声という感じがするってことなんです。響かせるってことです。日本語の通常の感覚では、横隔膜を使わずに、喉だけで発音するようになってしまうんです。横隔膜を使って話すことがとても難しい。日本語はすべての音に母音がある点は良いのですが、普段は母音を使わない発声なんですね。「もー」と言うとき、「もおー」とお腹を使うようには言わないと思うんです。日本語とは子音も違いますし。
必要なことは、言葉の準備、体の準備―横隔膜を鍛えることですね。

-イタリアに来るにあたって、気持ちの面で覚悟してきたほうが良いことはありますか?

葉玉  日本人は、正直さに慣れているんです。イタリア人は正直ではありません、ウソはあたりまえ、悪いことだとは思っていないんです(笑)。その点に本当に気をつけていただかないと、国民性が違いますのでね。日本人は正直でまじめでしょう?イタリアはそうじゃないんです(笑)、反対なんです(笑)。それを頭の中に入れて来てください、それでも皆だまされています、まあ些細なことですが、平気でだますのでね(笑)。たとえば、何か小さいものをお買い物に行きますでしょう、イタリア人は、おつりを少し少なく渡してきます、お勘定を確認するとおつりが足りない、それを言うと、おー間違えてしまいました~すみません、と当たり前のように言います(笑)。気がつかなければそのままですね。だから、ちょっと疲れますね(笑)。

-なるほど(笑)。イタリアでお仕事をされていますが、働くにあたって日本人が有利な点・不利な点はありますか?

葉玉  歌手の場合は、日本人はマダムバタフライ・蝶々夫人を必ず自分のレパートリーとしてください。日本人じゃないと歌えないので、非常に有利です。必ず日本人を見ると、マダムバタフライが歌えるか?と訊かれます。プロの歌手として成功するには、体の動きをヨーロッパ人のようにできるようにならないと貧弱に見えます、動きを大きくしないといけません。カリスマ性、人の目をずっと自分に惹きつけておく力、それは生まれつきが多いので、教えようと思ってもなかなか難しいものですが、元々その力がある方は表現の方面にはお勧めですね。

-カリスマ性というのは、後天的にも培うことができるものでしょうか?

葉玉  そうですね。育った環境も影響しますね。たとえば、学生の中でもひとりだけ何か違って目がいってしまう、事務所の中のある一人の人にどうしても目がいってしまう、ついその人を見てしまう、などの例があると思うのですが、生まれつきそういったカリスマ性を備えている方がいます。生まれつきではなくても、環境の影響や、本当にひとつの勉強に集中、それだけを愛して勉強しているとカリスマ性が出てきます。突然変わっていく歌手も沢山見てきました。常に、前進しよう、良くなろう良くなろう、と思っているとカリスマ性が出ますね、自信も必要ですね、最初はなかったけれど、だんだん自信がついてくると、カリスマ性が大きくなります。その点は人種や出身は関係ないですね。
あらゆる場所で、日本人でプロとして働いている人たちの真面目さ、正確さは、素晴らしいと思います。日本人は国民性が素晴らしい(イタリア語で●)と言います、まじめで正直で、評価されますね。イタリア人も真面目で正直であることは良いことだと思っているんですよ(笑)、でもイタリア人はちょっとごまかせるチャンスがあると、すぐやっちゃうわけです(笑)。日本人のような性質は素晴らしいと思うけれども、そうはできないと(笑)。各ジャンルで働いて成功している日本人の方は非常に尊敬されているんです。イタリア人も、どの点が素晴らしいのか分かっているはずなんですね。

-日本人がステージに立つ上で、何か不利な点はありますか?

葉玉  動きが小さいこと。そして、言葉が伝わらない限りは、どうしても舞台で歌っても伝わらず、観衆は受けてくれないんです。聴いていて言葉の意味が判らないと、表現として伝わらない。

-先生として活躍されるにあたっては、日本人であることはどのように影響していますか?

葉玉  イタリアの国立音楽院における、日本人の声楽の選任教授はわたくしだけです。声楽は言葉が土台になっているでしょう?イタリア人の歌手たちは、声楽は自分たちにしか理解できないという、自負があります。日本人が、どうしてベルカントを教えるのか?という壁は非常に大きかったです。他の人より10倍くらいは勉強しないといけなかったですね。言葉のニュアンスなど全てが分かっていないとオペラを歌えないのにという考え、それそのものは正しいと思うのですけれど、外国人がどうしてイタリア人に教えるのか、と。その壁を乗り越えるまでに非常に色々な障害がありました。大半の生徒さんはイタリア人なので、最初にわたくしと接触する際には、日本人がどうやって教えるのか?という訝しげな態度であることも多いのですが、教えていくうちに、私の中にどれだけの豊かなものがあるのか、ということが分かってくる、そうすると今度は反って、葉玉先生じゃないといやだと言ってくれるようになります。どうして?と最初は言われますね。

-でも教授しているうちに信頼を寄せられるのは素敵ですね!入学時から葉玉先生をご指名される生徒さんもいらっしゃると伺っています。

葉玉  留学してくるときから、わたくしをご指名される方もいらっしゃいますよね。大学院では教授を選ぶことができるんです。たくさんのイタリア人の生徒さんがわたくしを選択してくれます。それは本当に嬉しいです。やった!という感じです(笑)。クラスは全部で15人くらいですが、日本人の生徒さんも3人います。イタリア、ルーマニア、フィンランド、ブラジル、中国、アルジェンチンなど世界中から生徒さんが集まります。男性のほうが少ないですね、歌を歌う人口が女性のほうが多いですからね。最後におこなったサマースクールでは、12カ国から来ていました。それぞれに国家を歌ってもらって(笑)。のちに全員、勉強させて、サンタチェチリア音楽院入学させました。大変国際色豊かです。学ぶ分野としては、サンタチェチリア音楽院ではオペラと歌曲、ドイツ歌曲、フランス歌曲、それが主ですね。

-日本人として不利な点は、自ら克服されたということですね。

葉玉  そうであることを祈っています(笑)。そうはいっても、やはり今でも日本人の癖は出ますし、舞台の上ではやらないように気をつけていますがね、日常生活では日本人だと思います。体の動きなどはもう克服していると思うのですが、メンタリティが。

-まじめで正直なところをキープされているんですね(笑)、それはもう鬼に金棒ですね!先生にとって声楽・歌はどんなものでしょうか?

葉玉  そうですね、声楽を深く勉強したことによって、他の分野にも視野が拡がりました。文学、科学そういったものでも本当に分かるというか、理解できるようになると思います。ひとつのジャンルですごく深く勉強すると、他のジャンルのこともだんだん分かってくると思います。最初は音楽だけで、他のことには興味がなかったんですが、今は全て、歴史、科学など、知りたいと自然に思いますし、解剖学などは非常に勉強しました。様々なジャンルについて分かってきたようなかんじがします。

-深く、そして広くなっていくということですね。

葉玉  深くだけやっていたつもりでも、いつのまにか拡がっていて。わたしにとってはそうですね。それぞれの人によっても違うとも思いますが、声楽が全部の根源になっているということですね。

-これからの音楽的な夢などございましたら教えていただけますか?

葉玉  大きなおおきな夢があります(笑)!イタリアの各地に非常に綺麗なオペラ劇場があるのですが、かなりの数が閉まっているわけですね。1700年代、1800年代に作られた美しい劇場、大中小たくさんありますので、その中の1つを使ってオペラシーズンをやりたいんです。使わないのはもったいないです!1つの劇場を開けて、わたくしのオペラシーズンを行いたいなあ、というのがわたくしの夢です。そして、そこで毎年、新人の歌手がデビューできるようになる…大きな夢ですね。実は既にスポンサーを探したのですけれど、現在は経済危機がひどく、皆さんお金がないんです(笑)。タイミングを待っているかんじですね。

-生徒さんがデビューして、活躍して…

葉玉  大勢の様々な評論家やマネージャー、エージェントを招待して、たくさんの歌声を聴いていただいて、その中の誰かを世界中にデビューさせたいという夢ですね。
わたくし自身は、舞台からは引退しています。
わたくしは、教えることと歌手であることは両立できません。歌手は自分のことだけ考えないといけないので。歌手活動と教授活動を同時におこなった時期が最初の1年か2年あるのですが、そこでできないとわかりました。
歌手として、どういうことに気をつけるか、どういう表現をするか、どういうことを観客に提示できるか、それを勉強するには24時間でも少なすぎるぐらいなのです、自分のことだけを大切にしないと成り立ちません。
でもその状態では、生徒に何かをあげるという姿勢が全く生まれない。それだとお給料を貰うためだけに教えに行っているという感じです。教師というのは、自分の経験、持っているものを全てあげるんです。ですので、わたくしは完全に止めました、歌うのを。自分の持っている経験・豊かになったものをあげる、全てをあげないと良い教師ではないわけです。
私にとっては全く両立できることではないですね。勉強は常にしています、新しい曲にあたったりすると勉強しますが、あくまでも生徒にあげるためにです。わたくし自身が舞台で歌うためではありません。
今現在、生徒さんがいっぱいついてきて下さっている。先生のように、たくさんのものを、経験をあげたい、全部をあげたい、という先生には今まで会ったことがないと言われます。全てを、自分の持っているものを全て生徒にあげたいです。

-生徒さんにとっては非常に貴重な存在ですね!色々なところで、先生と歌手と両立されている方をお見かけいたしますので、それはスタンダードなことかと思っていたのですが、先生のお話を伺って、目からウロコでした。

葉玉  わたくしにとっては、ふたつを両立できる方は不思議ですね。完全に仕事の性格が違いますのでね。
先生として、シーズンを行うことが夢ですね、大きな夢です(笑)。もし実現できたらご招待いたします!

-ありがとうございます!イタリアで教師として活躍する秘訣というのはありますか?

葉玉  語学が完全に自分のものになっていること。そうでなければ、生徒たちと交流できませんのでね。そして、ヨーロッパ人の10倍くらいの豊かさを持っていないとたちうちできません。彼らは文化の素養を自然に体の中に持っているのでね、私たちにとって、それは外から入ってきたものですからね、やはり勉強はいつもしていないとだめだと思います。勉強とは、文化を感じることを含めてですね。たくさんの展覧会に行くことや、演劇を観に行ったりすることは、大切な勉強ですね。歴史を調べたり、解剖学などを学んだりする家の中で行なう勉強もさることながら、ファッションの歴史的な違いを観に博物館に出かけることなども全て勉強の中に入っています。日常生活全てですね。
常に生徒に何を教えようかと考えています(笑)。日本の文化では、特に哲学、禅や柔道・剣道は、集中力を育てるのに大変助けになります。わたくしはイタリアに来てから始めたのですが、日本には集中力を強くするための色々な哲学、体系がありますね。

-イタリアに限らず、海外に出て勉強しようと思っている人達にアドバイスがありましたら、ぜひお願いいたします。

葉玉  第一番に留学先の語学を勉強すること、そして良い先生をみつけること。先生の選び方を間違うと成長しないんです。

-先生の選び方というのはどのようなものがありますか?

葉玉  歌の場合は、50分や1時間のワンレッスンのあと、喉が疲れていないかどうかで分かります。喉が疲れない、体の気持ちがいい、それは良い先生です。悪い先生ですと、1時間歌わせると、声が出なくなったり、喉が痛くなったり、体が疲れちゃったり。それは、テクニックの問題、発声法の問題ですね。それは人によって違うということはありません。息を吸って吐く、それが正しく行なわれていれば絶対に疲れません。それと、もうひとつ、どこに行っても、必ず国立の音楽院に入るようにしてください。競争者が沢山いる、人に会う機会がたくさんある、歌だけでなく器楽もある、音楽史、音楽学も勉強しなければならない、色々な刺激が受けられますでしょう、人間が豊かになるんです。国立の学校ですと、教授陣が非常に良く吟味されている、長いキャリアを持って教えていらっしゃる先生が大半ですのでね、やはりレベルが高いと思うんです。それと、もし留学したいという希望があるならば、なるべく早く出発して下さい。若いほど筋肉も、頭も柔らかいのでたくさんの吸収力があります。できるだけ早いほうがいいですね。どうしても大学を終えてから、という場合では、22歳ではぎりぎりですのでね、大急ぎでいらしてください。

-年齢におけるハンディはありますか?

葉玉  もし、上手になれたとして、良いマネージャーについてもらうには、若いほうが有利ということはあります。やはり、年齢によって、例えば30歳だと歌手でお金を儲けることができる時間が少ししかない、とマネージャーが判断するかもしれない、常にマネーの問題はついてきますからね(笑)。若いとそれだけ活動期間が長いですからね、マネージャーはより若いかたをみつけようとするのは現実的です。

-なるほど(笑)。ローマという街は日本人の学生は多いですか?

葉玉  ミラノのほうが多いですね、ミラノはローマの約5倍くらいいるのではないのでしょうか?ですがベルディ国立音楽院は入るのが大変難しい。ローマサンタチェチェリア音楽院も入学試験が難しいですので学生の大半は個人レッスンだけで過ごしていると思いますが、もったいないですね。

-ビザの関係からだと、個人レッスンだけでは非常に厳しいですよね。

葉玉  その通りです。やはりできれば私立の音楽院に入って、ビザを貰って…ということですね。できることならば、国立に入って簡単にビザを貰うほうがいいですが、入学試験を受けることができるレベルになるには、準備として最低5ヶ月くらいはかかります。語学の試験もありますのでね、試験の前に現地に来て、入りたい音楽院のレベルまで何とかして届くように上げて、なんとか入学にこぎつける、そのためにはやはり事前に5ヶ月は必要です。どこの国に行っても同様に大変だと思います。

-先生は留学先を決めるにあたって、イタリア・ローマだけがみえていたのですよね。

葉玉  そうですね。イタリアオペラを聴いていると気持ちが良くて、オペラを歌いたいと思っていましたので(笑)。ミラノは気候が悪くて…寒いのと湿気が多いのと、空気が悪いんです(笑)。ローマは交通量も多いのですが、海の近くなので、空気をふぁーっと、海風が綺麗にしてくれるんですね、日光もたくさん差しますし(笑)。ミラノの音楽院もすごく良いですが。

-大変楽しくお話を伺わせていただきました。本日はお忙しいところ本当にありがとうございました!

植山けいさん/チェンバロ奏者/フランス・パリ

 「音楽家に聴く」というコーナーは、普段舞台の上で音楽を奏でているプロの皆さんに舞台を下りて言葉で語ってもらうコーナーです。今回、パリでご活躍中の植山けいさんをゲストにインタビューさせていただきます。「音楽留学」をテーマにお話しを伺ってみたいと思います。
(インタビュー:2012年1月)


Image―植山けいさんプロフィール―

ロンドン生まれ、東京育ち。2004年Paolo Bernaldiチェンバロコンクール第2位(イタリア)。第19回国際古楽コンクール<山梨>チェンバロ部門第3位(日本)。

桐朋学園大学ピアノ科、アムステルダム音楽院チェンバロ科(オランダ)、ロンジー音楽院チェンバロ修士課程(アメリカ)、ブリュッセル王立音楽院フォルテピアノ科修士課程終了(ベルギー)。現在パリと東京を中心にチェンバロ奏者、通奏低音奏者として活躍中。
2010年、レ・シエクルとプロメテウス21(フランス)によるバッハのチェンバロ協奏曲及び、ブランデンブルク協奏曲全曲演奏ツアーにソリストとして出演。その時の演奏が、フランス国内でラジオ・テレビ放映され、好評を博す。また、オランダやアメリカで開催したコンサートでの演奏を地元メディアに取り 上げられ、高く評価された。ボストン古楽音楽祭(アメリカ)、モーツァルト音楽祭(ユネスコ世界遺産ヴュルツブルグ宮殿、ドイツ)に出演。サル・プレイエル(フランス)、シャペル・ロワイヤル(ヴェルサイユ宮殿、フランス)、ブリュッセル王立楽器博物館(ベルギー)などでも演奏会を行う。2001年には、 ボストン(アメリカ)ならびに東京において、バッハ・ゴルトベルク変奏曲を演奏し、チェンバロ奏者としてデビューを飾る。2012年、デュポールのチェロ ソナタ全曲を、チェリストであるラファエル・ピドゥーと世界初録音し、スイス・ノイシャテル博物館所蔵J.ルッカースチェンバロでバッハ:ゴルトベルク変 奏曲のソロ録音がリリースされる。(2枚ともIntegral Classicより発売)
これまでピアノを小島準子、ヴィクター・ローゼンバウム、フォルテピアノをピート・クイケン、ボヤン・ボティニチャロフに、チェンバロをピーター・サイクス、メノ・ファン・デルフト、クリストフ・ルセ、ユゲット・ドレイフュスの各氏に師事。G.レオンハルト氏のマスタークラスに参加。

- まずは、植山さんの簡単なご経歴を教えて下さい。

 

植山  小学校1年生から中学校3年まで9年間桐朋学園の音楽教室でピアノを習い、その後桐朋女子高等学校音楽家、桐朋学園大学大学のピアノ科へ行きました。卒業半年後にアメリカ・ボストンのロンジー音楽院に2年の予定で留学しま。けれども、フォルテピアノやチェンバロにも興味を持っていたのでピアノレッスンと同時に古楽器を習い始め、ピアノのデイプロマを取得後にチェンバロ科の修士課程を2年しました。その後古楽の盛んなヨーロッパできちんと17-18世紀のスタイルを学びたいと思いアムステルダム音楽院に2年行き、フランスのバロック音楽を理解するにはフランスへ住まないと無理だと思い、その後パリへ行き6年間過ごしました。気が付いたら3カ国で13年を過ごし本帰国したばかりです(笑)。

 

- チェンバロに初めて触られたのは?

 

Image植山  高校の時、有田正弘先生の古楽実習という授業を受けました。その最後の授業で、先生のお宅を訪問する機会があり、博物館みたいに色々な楽器が置いてあり、初めて18世紀のアンテイ―クのチェンバロを弾かせて頂きました。まだ全然チェンバロの構造など分からなく、バッハ時代の鍵盤って言う程度の知識でしたが、今まで聴いたことのない音色で、ピアノ教育で受けた音楽観念をくつがえされるようなショッキングな出来事でした。有田先生の授業では、例えば、メヌエット、サラバンドという舞曲のスタイルや、ヨーロッパの17-18世紀の政治や風習などピアノのレッスンで聞いたことのない内容を初めて聞き、目から鱗でした。バッハのイギリス組曲なのに、その中にはフランス式やイタリア式で書かれたクーラントがあり、どうやって見分けるか、弾き分けるか、どの様なダンスだからテンポ感はこうとか。

みんな毎日8時間真面目に練習をして、怒られながらも耐えて、とにかく上手になることだけを考えて必死に頑張っていたと思いますが、初めて音楽とヨーロッパの文化のつながりを、有田先生に教えて頂き、【宮廷音楽家や作曲家は雇われて、王様のために作曲していたんだよ】とか、そういう基本的な事も全く知らないし!(笑)そもそもバッハが本当に生きていたのか・・・とすごく疑問でした(笑)。

そういう意味で、楽譜上の音符をただ綺麗に早く上手に弾いてコンクールで賞を取るようになるということよりも、もっと本質的にどう音楽がヨーロッパで生まれ、親しまれ、発展して、ヨーロッパ文化の中に浸透してきたのかということに興味を持ち始めました。バッハの音楽などは素晴らしいから300年経った今も残って、日本も含め世界中で弾かれているっていうことを、日本のピアノ教育の中では理解しきれなかったんですよね。

 

- なるほど。それを有田先生が教えてくださったと。

 

植山  新しいドアを有田先生が開けてくださったというか…。

だから私の周りの今バロック音楽を弾いている友達は皆、日本や本場のヨーロッパで一流の団員として世界ツアーをして活躍していますけれど、みんな元々モダンバイオリンやモダンピアノを頑張ってきた子が、よりその作曲家に近づきたいっていう思いで、バロックに目覚めてしまった(笑)という感じです。

私は小さい頃から、「モーツアルトは真珠がころころと転がるイメージで弾いてね」とみんな言うけど、一体誰が決めたんだろう(笑)?って子供ながらにすごく不思議でした。ドイツという国にも行ったことないし。

【モーツアルトが天才、天才と言うけど、本当に生きていた人なのかな?】とか疑問でしたが、ウイーンのモーツァルトハウスに行って、実際に作曲していた天井に天使が描かれている綺麗なお部屋なんですけれど、そこを観て初めて生きてたんだなあって思いました。モーツァルトが実際に使っていたフォルテピアノやベートーベン、ハイドン、メンデルスゾーン、リストの家が博物館になっている所へ実際に行って、どういうフォルテピアノを使っていたかによって、今現存するほぼ同じモデルのフォルテピアノを弾かせてもらい、作曲家がイメージしていた【音の世界】を知ることができるんですね。すると、スタンウェイを弾いた時も、それぞれの作曲家がどんな音色のピアノを弾いて作曲をしていたか、随分イメージがはっきりして、より作曲家の音の世界を近くに感じれる様になりました。アメリカやヨーロッパの旅行の先々で弾ける楽器博物館や個人のコレクションは出来るだけ訪ねて行って弾きました。そういう意味では、高校の頃から、古楽器に興味を持ち始めました。

 

- 日本にいる間はピアノを専攻してらしたのですよね?

 

Image植山  はい。小さいころから練習したピアノから、例えばチェンバロに替わる、フォルテピアノに替わるって、多分日本では、替われる勇気がでないんですね。先生も猛反対するだろうし、親は勿論、周りもそんなこと許されない雰囲気。アメリカは、【何歳になっても勉強し続ければいいよ】という、学びたい事や年齢に関係なく、みんな好きなことを自分の人生でやっていくという、すごく自由な雰囲気なので、私のピアノの先生はバロックが嫌いにもかかわらず(笑)、【人生一回だからお好きなことやりなさい】って言って下さって…。本当に感謝していますね。

 

- いくらアメリカとはいえ、専攻を替えようと思った時には勇気が必要ですよね。

 

植山  ええ、半年間毎日悩みましたね。今までのピアノ―チェンバロに転科したのはアメリカで2年ピアノを勉強した後だったんですけれど―それが24歳の時で、ほぼ20年勉強してきたピアノを捨てるのか、ピアノの蓋を閉めるってことなのかという恐怖感があって…。

果たしてチェンバロが自分に合っているかも全く分からないし、誰にも訊けないし、他に例がなかったので(笑)。

 

- 専攻を替える方も少ないと思いますが、その中でもチェンバロは少ないですよね?

 

植山  桐朋の卒業生はモダンピアノでロンドンとかドイツで留学して、イタリアとか、ジュリアーノ、インディアナとかみんなモダンピアノですね。

 

- チェンバロに替わると活躍の場面も、またピアノとは違ってくると思うんですけれど。

 

植山  全く違いますね。

 

- チェンバロのリサイタルなどは、数は少なくともある?

 

植山  勿論あります。チェンバロやバロック音楽を日本へ紹介していく意味で切り開いていった方などいらっしゃいます。ピアノ人口が100人いるとしたら、チェンバロ人口は3人くらいだと思いますが。

 

- チェンバロですと、まず楽器がどうやって保存できるのかとか、お家で大丈夫なのかなとか心配になってくるのですけれど。

 

植山  そうですよね、色々分からないことが多いですよね。まず私の感覚でいうと、チェンバロのタッチはピアノの鍵盤の3分の1位の軽さなんですよ。なので、ピアニストがいきなりチェンバロ弾くと叩きすぎちゃって壊れてしまったりします!

ピアノとの決定的な構造の違いはピアノがハンマーで音を出しているのに対して、チェンバロは小さな爪の様なもので弦をはじいているので、どちらかと言うと、ハープに鍵盤が付いているようなイメージです。チェンバロの弦をはじく部分は、17-18世紀は鳥の羽を削った1mmくらいの爪みたいな物だったんです。上手いチェンバリストとほど、殆ど動かないんですね、指が何にもしてないように見える。例えばバイオリンのピチカートを、より大ホールで響かせたいと思ったら、浅くはじいてしまうと全く響かないのと同じで、より張力を感じて最後にぷちんって弾く方が響きますね。

 

- はい、そうですね、分かります。

 

植山  あれをチェンバリストは指でやっているんです。

 

- なるほど。

 

植山  叩くと逆に音は潰れて汚い音しか出ません。鍵盤のほんの2、3ミリを触った時に、鳥の羽(今はプラスチックの爪のような部分)が、弦に触れてはじくまでをいかに感じられるかっていう、ミリ単位の指先の感覚が必要なんです。チェンバロに替えた時には、体にモダンピアノの20年の癖が入っていたので、叩くし、腕は回す、肘がなぜか歌ってるというか勝手に動く!(笑)肩も体も前後に揺れるという癖を一切止めて指だけをミリ単位で鍛えるというピアノの癖を抜く所から始めました。

 

- 大変そうですね…。

 

植山  練習する時に、自分の動きが大きすぎるなって思った時は、背中を固定するために、ものさしがなかったので(笑)、傘を背中に差して練習しました(笑)。いかに自分が無駄な動きをしているかが分かります。とにかく指は脱力して力は一切必要ないので、ピアノの筋肉は全部落ちましたね。

 

- では今はピアノを弾くとなると大変?

 

Image植山  今、ピアノを弾くと筋トレみたいですよ(笑)。モーツアルト時代のフォルテピアノは、まだチェンバロが存在した時代に発明された初期のピアノなので鍵盤も軽く、チェンバロのテクニックで弾けます。フォルテピアノが発明されて楽器の構造が変わり、強弱が出せるようになり、モーツァルトは最新の楽器に大喜びしてピアノソナタを作って…それは本当に感動的なことだと思うんですね。だから、私は(最新技術であるピアノから)チェンバロに戻りましたけれども、あれだけの進化を遂げた、ピアノにしかない魅力は素晴らしいと思います。ブラームスの曲を聞いたりすると、赤い絨毯を歩いているような重厚さを感じますし、それはバロック音楽とは違う魅力ですね。

チェンバロをアメリカ、アムステルダム、パリで専念した7年後くらいに、フォルテピアノを学ぶ最後のチャンスだと思い、パリに住みながらベルギーのブリュッセル音楽院のフォルテピアノ科に入り、2年間通いました。月1回パリから新幹線みたいなタリス高速列車に乗って通いました。パリから1時間20分で行けるので、千葉から東京に行く感覚で(笑)通っている生徒さんが沢山いましたよ。パリのオーケストラでチェンバロの仕事をしていたので、さすがに4ヶ国目に引っ越して一からやり直すのは無理だと思い、2年間ハイドンのフォルテピアノ初期時代からフランクのロマン派の時代の曲まで違うフォルテピアノ、構造に対してどの様に弾きわけるかという事を勉強しました。チェンバロから今のモダンピアノまでへの発展を学んですごく良かったですね、そういうことは日本でなかなか学べないので。

今パリではモダンとバロックの両方を弾きこなせるという事がオーケストラなどの仕事でも需要が増えています。例えば、パリオペラ座のオーケストラの団員で、仕事もキャリアも安定しているのに、再びバロックヴァイオリン科に入って学ぶ方等いらっしゃいます。モダンだけじゃなくて、バロックも弾けるっていうのが、今流行っているというか、アラモードになっていて、バロックの弓に持ち替えて弾けるようになりたいって人たちも結構多いですよ。

まだ日本では、モダンはモダン、バロックはなんか古臭い、なんであんな異色な!っていう感じで観られますよね(笑)

 

- 日本では確かに住み分けというか、全く別のものになっている感じがありますね。最近フランスへ留学したいと言う学生さんが増えているように思うのですが、幅広く自然に勉強できるからっていう理由があるのでしょうか?

 

植山  うーん、個別の楽器のことは詳しく分かりませんけれど、木管金管系は確かにすごく上手ですよね。

 

- 元々ヨーロッパで始まった楽器ですしね。本場にいくってことがそれだけで勉強になりますよね。

 

植山  ピアノは例えばアメリカ、中でもニューヨーク、いわゆるジュリアード系のピカピカの明るい音でばりばり弾くと、聴衆も喜んでくれる。だけれど、そういう演奏をヨーロッパですると、良く弾けるけど、スタイルが分かっていないのでは?内容が浅い・・・と言われたりすることがあります。

アメリカ、またはヨーロッパに留学するかで全然違うし、ヨーロッパの中でもイタリア・フランス・イギリス・ドイツではそれぞれ違うと思います。自分がフランス音楽をやりたいのか、ベートーベンを極めたいのか、先生との出会いにもよりますし。ロシア人でも素晴らしいバッハを弾くか方もいますし。

逆にロンドンに12年ピアノ留学・お仕事をしている友達は、イギリスはフランスにもドイツにも属していないから、自由で割と個人を尊重してくれると言いますね。でもイギリスはヨーロッパだから伝統的なスタイルから外れたことは好まないと思います。アメリカはスタイルをとっぱらって、彼女の弾き方は素晴らしいと、人間性をそのまま受け入れてくれる人たちなので。同じ自由でもアメリカとヨーロッパでは、その雰囲気や趣味が異なると思います。

 

- 最初ご留学されたのがアメリカなのはなぜだったのでしょう?

 

植山  高校3年生の時にローゼンバウムという先生が、ボストンの音楽院の学長兼ピアニストをしていて、学校で公開レッスンを受けました。毎年、日本で公開レッスンをされていたので、高校3年生から4年間、毎年参加していました。初めてショパンのバラード1番のレッスンを受けた時に、「この先生と何か通じるな」とピンと来たので翌年、大学生になって夏期講習をボストンへ受けに行きました。ご縁ですね。

大学の時はフランス語を始めて、とてもフランスに惹かれていたので旅行へ行き、3、4年生時には講習会を受けに行ったり、フレーヌ音楽祭に行ってレッスンを受けたりしましたが、そうぴたっときたわけでなくて(笑)。特にフランスの先生は個性が強いので(笑)。自分に合うか合わないかは、レッスンを受けて確かめる以外にないと思うんですよ。

 

- 人から聞いても違うこともあると。

 

植山  ええ、実際友達に薦められて受けたけれども、全然私にはぴんとこなかった事もありました。アメリカ人はとてもオープンでコミュニケーションがしやすいのですが、フランス人はコミュニケーションがすごく特殊なんで(笑)。オープンというより、プライベートな感じを好む方が多いと思います。フランスが個人主義の保守的な人たちが多い国だと思います。それは、伝統や歴史があるので重んじるという所からも来ていると思います。

例えばアメリカ人だと、ハロー!ハワユー (How are you?) って誰にでも笑顔だし、みんな気持ち良く接してくれて、ちょっと弾けばブラボー!!!という感じで、若い頃に行くと伸びると思います。褒めて褒めて伸ばす方針。

フランスは本当に良い時にはトレビアン!と言うけれど、【悪くない=パマル】という表現を聞くことが多いです。例えば日本語で、演奏後に【悪くなかったね】と言われたら、褒め言葉でないですよね。だけど、フランス人は皮肉屋さんなので、割と気に入っている場合もパマルと言うんですよ(笑)。パマルはどうやら褒め言葉らしい?ということが、2~3年後にフランス人の友達に聞いて分かったり!国によって認め方も違うんだなって(笑)。

パリに住み始めた最初は2年間本当に何も起こらなくて、落胆しました、本当に厳しい…。パリって華やかな、人生薔薇色みたいなイメージがあるのに、実際に住んだら灰色みたいな(笑)、ギャップがあれだけ大きい街は他にはないのではと3ヶ国住んでみて思いました。一番苦労もしたけれども、6年間とても貴重で素晴らしい体験をさせて貰えたと思います。どの分野の音楽でも一流がいらっしゃいますし。

 

- そうですね。やっぱり留学先にもよるんでしょうか。

植山  人により国との相性はありますね。でもどこに行くにも、勉強する先生によって大きく印象も充実感も変わると思います。先生が素晴らしい演奏家でも、初めて外国暮らしで、家の借り方も分からないし話せない。だけれど先生はほったらかし、ツアーで忙しくて不在で月に数日集中レッスンのみという場合もあります。行ってみて現状が分かることが多いので、留学前に1度どういう場所か、町や音楽院の雰囲気、何よりも先生と信頼感があるのか実際に行って確認するのは良いと思います。

 

- なるほど。

 

植山  私も最初は本当に数え切れないほど失敗をして、パスポートを盗まれたり…。アメリカからヨーロッパに大陸を変える引越しは結構大変でしたね。

 

- アムスではどうやって師事する先生を見つけられたのですか?

 

Image植山  オランダは、チェンバロやフォルテピアノでいうメッカ・聖地なんですね。先日亡くなられた高名なグスタフ・レオンハルト、ピアノでいえば、リヒテルみたいな方が生きていらしたのと、彼のメソッドがやはり主流でオランダに10年以上留学していたフォルテピアニストの先輩に聞いて、重い荷物をガラガラがらがら引いてレッスン受けに行って。

アムステルダムの先生は、1回しかレッスンを受けなかったんですけれども、とても充実していました。時間きっちりで、連絡メールもすぐ返信があり、イギリス組曲を2時間びっちり丁寧に教えて下さって。ボストンの初めてチェンバロを教えて頂いた先生は本当に面倒見の良い、大らかな先生で、彼以上に素晴らしい先生はいないと思っていました。けれど、5年間、一からチェンバロを教わり、元々ヨーロッパで生まれたチェンバロを、アメリカ人だけに習うのはどうかと思い、文化的背景を学ぶ為にも発祥の地、ヨーロッパへ行こうと思いました。

ボストンの先生はヨーロッパのコネクションがなかったので、自分で行くしかないと思い、スイス・フランス・ベルギー、オランダを強行突破の様に先生探しの旅をしました。実際、アムステルダムの先生と勉強し始めたら、井の中のかわずで、知らないことがこんなに沢山あるんだと、また一からやり直しいう感じでしたね。

 

- なるほど。フランスに行かれた時はすでに演奏家として?

 

Image植山  いえ、まだアムステルダム音楽院を卒業したばかりでした。22歳でアメリカに行き、27歳でアムステルダムへ行った時先生に「もう27歳?僕は32の時には子供が3人居たよ」って言われました(笑)。でも、ベルサイユ宮殿で盛んだったフランスのバロック音楽は、ドビュッシー、ラベルに通じる、フランス人にしかないエスプリや雰囲気があり、実際フランス語で話して、暮らしてみないと絶対理解できないだろうなあと思っていました。特に、チェンバロの練習曲や教則本は17世紀の古フランス語で書かれているので原語で読んで理解しないと、演奏法がわからない。すでに29歳で、コンヴァト(コンセンヴァトワール)国立申し込みが30歳までなので、ぎりぎりだったんですけれど、さすがに学生こんなにやったから、うんざりしていたので、何にもプランなしで(汗)、ただフランスに行く!行くぞと(笑)。

 

- 勇気がありますね!

 

植山  なぜかフランスに行かずして日本に帰れないと思っていました。

 

- ビザとか大丈夫だったんでしょうか?

 

植山  ブローニュ(パリ郊外)にお家が見つかり、歩いてすぐの所にブローニュ地方音楽院があり、そこに素晴らしいチェンバロの通奏低音科の先生がいるといことで、2年間修士課程を勉強しました。

そうこうしてるうちに、仕事につながって行きました。

 

- 仕事を得るきっかけはあったのでしょうか?

 

植山  友達からの1本の電話のみです!チェンバロの場合は、自分で履歴書をどこかに送るなどの機会がないんですよね。大概のオケってチェンバロ奏者は1人いれば十分なんですよね。

それでも、バロックオケは日本の10倍以上あります。それだけ仕事もコンサートもあるし、著名なオケの場合は2~3年先まで演目が決まっているので、いつチェンバリストが必要と随分前から分かります。団員の人が弾けなかったら、友達の誰でもいいから、弾ける人を探すとなります。友達に、「来月ヒマ?」と聞かれて、「あいてるよ」と答えて、そこからですね。

私はそれまでオケと一緒に弾く機会がほとんどなかったので、失敗ばかりでした!全然違うところで、一人だけ入っちゃったり(笑)、私のせいでもう一回振り直しなんてこともありました。みんなこっちを振り向いて冷たく見られたり…ただでさえアジア人で浮いているのに(笑)。最初は挨拶もしてくれないし。ようは弾けてなんぼってことです。弾けたら何となく…良いとも言わずに何回かコンサートに呼ばれて、続けて電話がかかってくれば、前回は大丈夫だったらしいと(笑)。そんな感じで未知の世界が一杯でした!

そこから輪も広がり、別のメンバーが、自分の地元で音楽祭をやりたいから弾いてと言われて行く、そこに行って別の人に出会い、なんか一緒に弾こうよと言われ、アンサンブルのメンバーに知らぬ間になっていて(笑)・・・とか。

アンサンブルのメンバーに誘ってくれた友達の旦那さんは実は有名なピアノトリオのチェリストだったのですが、私1人だけ何も知らなかったんです(笑)。

アンサンブルのブランデンブルグ協奏曲の初合わせに行ったら、「バイオリンの方も上手だけど、全然バロック分かってない、ブラームス弾くみたいにバッハを弾いてる、この人何者なんだろう?!」って思ってました(笑)。チェリストの旦那さんは、コンセンヴァトワールでモダンとバロックチェロを勉強して両方に精通している方で、一生懸命バイオリニストさんに教えてあげているんですよ。かたや奥さんの彼女はバロック専門、なのに一言も言わないので「なんでガーガー弾くあの人に、教えてあげないの?」とリハーサル後に聞いたら、「彼、誰だか知らないの?タワーレコードにCDが20枚はある人だよ」と。誰?!私だけ知らなかったの!?その人に「君のチェンバロ音が小さすぎて僕聴こえないよっ」って言われて、「すみませんけれど、あなたの音量が大きすぎて、あなたのせいでですよ」って答えてしまいました(笑)!!彼女は、あの有名なチェリストの奥さんと見られることが多く、それが嫌だったので自分からは言わないことにしてたみたいなんですね。それでも有名だから大概の方は気付くのでしょうけれど、私は外国人だし、知らないし、分からなくて(笑)

 

- 奥様はきっと楽しかったですよね。

 

植山  そうですね。相当ボケたキャラクターに思われたみたいです。それがご縁で、旦那様とも3年間一緒に弾かせて頂き、ブランデンブルグのヨーロッパツアーなどをその後ご一緒して、パリコンサートのライブ録音はクラシックのラジオ番組で放送されたりしました。私は2011年2月に本帰国した後に、そのご夫婦から6月~11月に「この日とこの日は空いている?」聞かれ、「ベートーベンとも交流のあったデュポールという作曲家の世界でまだ誰も弾いていないソナタ全集を世界で初めて録音しないか?」ということで、日本ではなかなかできない企画だったので、もう1度フランスに5カ帰りました。その間に、ゴルトベルク変奏曲を380年前のマリーアントワネットが所蔵していたというスイスの博物館にあるチェンバロで録音もしたので、3月に2枚のCDがパリと日本を含む15ヶ国で発売されます。

元を辿れば、友達からかかってきた電話1本からここまで繋がって、みんなに本当に感謝です。

 

- 人との繋がりが基本というか、大切なんですね。

 

植山  とても大事だと思います。急いで音楽家を探している場合、信頼する音楽家に電話して、「君が無理ならば、君が信頼している他の音楽家を紹介して」という運びになるので、そのコネクションの中にいるかいないかというので仕事量が変わってくるみたいですね。

努力している子は何かとコンサートやリハーサル、カフェやご飯にも顔を出し、パリの音楽家の中に浸透していましたね。留学中は学校で勉強してコンクール等で頭一杯だと思いますけれど、その土地で音楽を仕事として生きていきたいならば、言葉が話せないと勿論無理ですし、積極的に自分でこういう事をやっていきたい、アンサンブルをしたいん、こういうコンサートをしたいので場所やオーガナイズできる方を紹介して欲しいと自分ではっきり主張しなければ動いていきませんね。

 

- 日本人は、自主性や積極性が、ヨーロッパに比べて、大人しいとよく言われますが。

 

植山  自主性や積極性は大事なんですけれど、ヨーロッパの人に比べて、日本人は自己主張をするように育てられていないから…。譲り合って、相手のことを考えるのが美徳ですからね。でも、徐々に慣れていくと思いますし、はっきり自分の意見を伝えるというのは、音楽家としても必要な事だと思います。

 

- 今後の音楽的な夢は?

 

Image植山  チェンバロという楽器がまだ広く知られていないので、少しでも多くの方に知って頂けたら嬉しいです。

バッハをピアノで演奏していた時に、装飾音に悩んだり、分からない事が沢山あったのですが、ピアニストの方にもチェンバロでバッハを元々どのように弾いていたか知って頂けたら、ピアノでバッハを弾く時に良いヒントになるかと思います。パリで日本人のピアノの先生を教えていましたが、「チェンバロはこんなに新鮮なんですね」ってすごく喜んでいらっしゃいました。そういう意味で世界を広げるというか、魅力を体験してもらいたいなと思っています。

 

- これから留学したい海外で活躍をしたい音楽家にアドバイスありますか?

 

植山  日本人の真面目さ、勤勉さやテクニックでは世界で高く評価されているし、外国人の先生の間でも礼儀正しい事も含め定評があります。でも、外国には「テクニックはあまりなくても、なぜか魅力的なんだよね、あの人の演奏って…」という演奏が多いですが、そんな音楽的な魅力が日本人に加わったら良いのではないでしょうか。

 

- 外国人はどうしてそういう方が多いのでしょうか?

 

植山  私も、それはどうして?どこから?と考えてきました。

向こうの人は、真面目に練習するだけでなく、コンサートや美術館や文化的な一流のものに日常の生活で自然に接し、感性を高めていると思います。また、テクニックがなくても自分がどの様に表現したいかというイメージやアイデアがはっきりしていると、やはり音楽を通して訴える力が強くなるのではないでしょうか。

日本人の私たちは、きちんと弾くという所をまずクリアしてから表現力という感じですが、外国人は表現する為にこういうテクニック必要・・・まず表現力を重要視していると思います。

例えば、自分が今現在弾いているドビュッシーの音楽を、家に行くこともできるし、博物館にあるドビュッシーが弾いて作曲していたエラールのピアノを誰でも弾かせて貰えます。現地でしかできない経験を沢山していく事が宝だと思います。失敗を恐れないで下さい。私は数々の失敗をして学んできたタイプですが、恥ずかしいと言っている場合でなく、何でも経験して、分からなければ教えて貰えば良いと思っていつも周りに聞いてました(笑)。恥ずかしいから話かけられないとか、あの先生に観て貰いたいけれど自信がないから今度にしよう、と思っていたら外国へ行ってしまったとか、本当に目の前にあるチャンスは、自分で掴んでいく、アンテナ張っていくしかない。

 

- そういうチャンスに気付けることが大切ですね、ぼんやりしていたら気付けない。

 

植山  私も最初友達に言われたのですが、温室育ちで音楽しか知らない人生でした。でも、留学は生活半分音楽半分というのが現状で、生活が上手く回らないと音楽にも集中できなくなってしまうんですね。ビザでトラブルがあって書類が取れないとか、それだけで移民扱いされちゃいますから(笑)。外国人警察署、移民当局へ行って、半日並ばされてやっと1年分更新して。「私は犯罪者か?」って気が滅入ることもあります。それでも、自分が何をしに来たのか目的意識をはっきり持つ事は大事ですし、自分が何かピピッと感じたら迷わずに積極的に行動することが次に繋がったり、コンサートで弾いてという話に通じる場合もあります。自分の留学生活、自分の人生だから、自分のために頑張ってほしいですね。みんな笑ったり、泣いたりと色々な時期があり全て含めて、やっぱり留学して良かったと思うと思います。そんな色々な経験が知らないまに音楽に深みを与えるのではないかと思います。自分では分からない場合もありますが、ドイツへ留学したピアノの旧友の演奏を聴いてガラッと変わっていました。より深みが出て素晴らしかったです。

 

- やはり日本という独特の環境もありますでしょうか。

 

植山  日本ほど安心して住めるところではないので、最初は大変だと思います。日本より平和は国はないです!エスカレーターが話したり、トイレが話したり、あれはフランス人衝撃ですよ(笑)!まさに、至れり尽くせりの国ですから。日本でどんなにエリートでコンクール歴がある方でも、留学して「もっと自由に弾いて」と先生に言われて、自分の心を開放するということが分からなくなることがあると聞きます。みんな悩んで、どん底に落ちて、1回自分を壊して、生まれ変わると、本人は気が付かなくても、先生のおっしゃることを信じて新しい方向で音楽を見つめたら、数年後には更にスケールの大きい音楽家になっていたということもありますので、恐れないでほしいですね。みんな知らない事や知らない場所へ身を置くのに不安なのは一緒。それでも、自分を信じて進めばいつか忘れた頃に良い結果が出たり、自分で自分の成長に気が付くかもしれませんね。

 

- 大変貴重なお話をありがとうございます。これから留学をする皆さんも参考にしてくれると思います。

 

植山  チェンバロという分野が留学生の方が多くはないと思いますので、お役に立てれば嬉しいのですけれど。

 

- チェンバロを目指す方だけでなく、広くみなさんに興味を持っていただける面白いエピソードをいただいたと思います。本日は本当にありがとうございました!

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*お知らせ*

ラファエル・ピドウー氏(チェロ)と共演のCDが4月末に発売となります!


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パルツ福永麻里さん/ヴァイオリン/スイス・チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団/チューリッヒ

「音楽家に聴く」というコーナーは、普段舞台の上で音楽を奏でているプロの皆さんに舞台を下りて言葉で語ってもらうコーナーです。今回、チューリッヒでご活躍中のパルツ福永麻里(パルツ フクナガマリ)さんをゲストにインタビューさせていただきます。「音楽留学」をテーマにお話しを伺ってみたいと思います。
(インタビュー:2011年9月)


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―パルツ福永麻里さんプロフィール―

相愛高校音楽科を経て、相愛大学音楽学部を首席で卒業後渡欧。

安田生命クオリティオブライフ文化財団、C.M.Ziehrer財団より奨学金を受けウィーン国立音楽大学にて研鑽を積み、最優秀ディプロマを取得。

オーストリア国際室内楽音楽祭最優秀賞、第10回ヨハネス・ブラームス国際コンクール第1位など受賞も数多い。

W・ヒンク、T・ブランディス、Z・ブロン等のマスタークラスを受講。

森田玲子、R.ランダッハーの各氏に師事。

在学中よりフロリレギヴム・ムジクム・ウィーンのコンサートマスターを務めるかたわらウィーン室内フィルハーモニーに在籍。ウィーン放送交響楽団を経て、現在チューリッヒ・トーンハレオーケストラ所属。

ウィーン・トーマスティック・インフェルド社、弦開発プロジェクト契約ヴァイオリニスト。チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団バイオリン奏者。

最初に、簡単な略歴を教えてください。

 

福永 大阪の相愛高校音楽科、その後は相愛大学に行きましたけれど、大学卒業と同時にウィーンの音楽大学に留学しました。

 

ウィーンでは長くご活躍されていたのですか。

 

福永 ウィーンは最初は2年ほどの留学のつもりで来たのですが、いればいるほど帰りたくなくなってしまって、ウィーンで就職することを考え始めました。音大在学中はウィーン室内フィルハーモニーなどで演奏していたんですけど、最終的にはウィーンの放送交響楽団に入団しました。

 

― ウィーンからスイスに行かれるきっかけみたいなのはあったのですか。

 

福永 ウィーンにいる時から私にとってスイスのトーンハレオーケストラはすごく憧れのオーケストラだったので、ぜひ機会があればいいなと思っていたら、オーディションがあったので、それを受けて運良く入ることができました。だからウィーンから引っ越ししてきました。

 
 

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チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団

現在所属されているトーンハレオーケストラは有名なオーケストラだと思いますが、どういった特色がありますでしょうか。

 

福永 国際的というか、いろんな人がいっぱいて、まあスイス自体が結構グローバルな国なのですが。演奏もいろんな個性が集まっていて・・・(笑)。そのせいか開放的で自由というかしなやかな響きのするオーケストラだと思っています。

 

そちらのオーケストラは、日本人の方はいらっしゃるんですか。

 

福永 はい。結構います。7人ぐらい日本人がいると思います。こんなに日本人の多いオーケストラも少ないと思います。

 

逆に、ほかの国の方とかも結構いらっしゃいますか。

 

福永 はい。スイス人は3分の1ぐらいだと思います。

 

では、3分の2ぐらいがほかの国の方ということですか。

 

福永 はい。門戸が広いというか、スイス人も日本人も同じ条件でオーディションしますし、国籍はぜんぜん関係ないですから、外国からどんどん素晴らしい音楽家が入ってきます。公用語は一応ドイツ語ですが、様々な言語が飛び交っているし、演奏もそれぞれお国柄がにじみ出ていたりして・・・いろいろ面白いです。

 

音楽に興味を持たれたきっかけというのは何だったのですか。

 

福永 両親が両方ともアマチュアのバイオリニストで、休みになったら父も母もバイオリンを持って近くのアマチュアオーケストラの練習に行くような家庭だったので、バイオリンを習うのが普通みたいな感じで、世の中の人はみんなバイオリンを弾いてるもんだと思っていて(笑)。両親の友達もみんなアマチュア関係の人で、バイオリンは自然にちっちゃい頃から始めてたというか、おもちゃ感覚で持っていたようです。私はいつ始めたかというのは全く覚えていないです。気付いたら弾いていた・・・。

 

ではクラシックにご興味を持たれたきっかけというのもあまり記憶には残っていないという感じでしょうか。

 

福永 そうですね。両親のアマチュアオーケストラの練習や合宿にちっちゃい頃から連れて行かれて、大人たちが練習しているその横で遊んでたり、コントラバスケースで隠れんぼしたり・・・(笑)。だから、クラシックとして認識したわけじゃなくて、音楽とはそういうものだと思っていました。元々家でもクラシック音楽しか流れていないという中で育っていたので・・・。

 

― クラシック音楽をやるに当たって、ウィーンの良いところは何でしょうか。

 

福永 クラシック音楽はウィーンが中心地で、いまでもその雰囲気は感じることが出来ます。モーツァルト、ベートーベン、ブラームスなどがこの地であんな曲を書いたのだと思うと、本当ゾクゾクします。この空気を肌で感じるのと、彼らの使っていたドイツ語を体感するのは日本にいたら絶対できないことです。そういう歴史だけでなく、今でもウィーンは音楽の都だから、いろんなコンサートが毎日にように聴ける。そういうのもあって私はウィーンで勉強できて本当に良かったと思っています。

 

卒業してすぐにウィーンに行こうと思われたのですか。

 

福永 大学入って留学するまで日本から出たことがなくて、全然知らなかったんですよね。ウィーンってドイツのどこ?みたいな感じでした(笑)。きっかけは、大学時代にアルバン・ベルクのバイオリンコンチェルトを練習していたのですが、ある部分に奏法指示として「ウィーン風に」と書いてあって、「ウィーン風に」にというのがもちろん分からなかったんです。先生に聞いたら、先生が「それはウィーンに行って自分で探求してくるべきね」とおっしゃって、それもそうだなと思って、その年の大学3年生のときやったかな・・・。はじめてパスポートを取って(笑)。どうせ行くなら観光旅行ではなくウィーンで生活してみたくて、1ヶ月くらい滞在しました。そこでちょっと生活してみたら、目から鱗。「ここやったらもっといろいろ勉強できる」と思ったことがいっぱいあったので、それでウィーンに留学することになりました。

 

― 幼い頃から行かれていたのかなと思っていましたが・・・。

 

福永 両親は私がアマチュアになるとばっかり思っていたみたいで(笑)、だから実は、そんなたいした音楽教育は受けなかったです。親と一緒にバイオリン持って遊んでいるみたいな感じで、練習をさせられた記憶も全くないですし。だから私はプロをめざすようになってから結構技術的にも音楽的にもいろいろ大変でした。遊びでずっとやってきたので(笑)。

 

 

― ウィーンに行ってからも技術面とかで苦労された部分はありますか。

 

福永 ウィーンの先生に付いたら半年間、開放弦しか弾かさせてもらえなかったです。技術をゼロからやり直さなきゃいけないからと曲を弾くことを禁止されて、毎日「ラ」ばっかりでした(笑)。

 

― そういう練習を半年続けて、そこから今度は曲をというような感じだったんですか。

 

福永 そうですね。結局私は先生に6年間付いていましたが、まずは徹底的に右手を直して、それでも最後まで右手のことは言われ続けました。ウィーンの先生が皆そうなのかは分かんないですけど、すごく時間を取ってもらって・・・。日本の音大では、実技試験が半年ごとにあって課題曲や練習曲に追いまくられて、それをこなすだけで大変でしたが、そういうのがウィーンではないんですよ。入学試験の次が卒業試験みたいな。だから時間に追い立てられることなく、いちど原点に戻ってじっくり自分と向き合う余裕がありました。私にはすごく合っていました。

 

ウィーンの悪いところは何かありますでしょうか。

 

福永 悪いところは、保守的というか、音楽の都としての自負があるから、外国人はあまりウェルカムじゃないというところでしょうか・・・。

 

ウィーンは留学生とかがたくさんいそうですが・・・。

 

福永 留学しているときには何の問題もありませんでした。勉強はちゃんとできるし、良かったんですが。いざ働こうと思ったときにはやっぱり難しいところはありました。外国人ですから。

 

学生のときとはまたちょっと違ってという感じでしょうか。

 

福永 オーケストラに入りたいと思っても、まずそのオーディションの招待が来ないんです。

 

― 現在所属されているオーケストラのほうがそこら辺はオープンですか。

 

福永 全然違ってオープンです。ウィーンは、勉強済んだらさっさと帰れという感じでしょうか(笑)。もちろん人種は関係ないと思っている人が大半なんだろうとは思いますが、やはりウィーンで働いていると、聞こえよがしに「最近外国人が多いから音がいまいちだなぁ」とか言われたことはあります。ウィーンにいるときはこういうことが日常茶飯事でした。チューリッヒに引っ越してきてからは、そんなことは全くないです。だから、私は、日本人の音楽家としては、チューリッヒのほうが過ごしやすいなと思います。ウィーンは音楽家がいろんなところから集まって来るし、音楽大学もいっぱいあるし、ウィーンと言うブランドとしての自負もあるし、競争率が高い。だからどうやって他人を蹴落として上に行くかという厳しい生存競争がありました。まあだからこそウィーンの良さというのは保たれているんだとは思いますが。私にはキツいところがありました。

 

現在ご活躍されているスイスでは、同じように日本人でご活躍されている方は多いのでしょうか。

 

福永 そうですね。みなさん、いつどういう経緯でスイスに来たのかとかはよく分からないですが、素敵な先輩がたくさんいらっしゃいます。

 

― ウィーンに留学することで一番重要なことは何でしょうか。

 

福永 日本でもすばらしい先生方がいっぱいいるし、技術的にバイオリンを勉強するというのは今の時代ではどこでもできると思います。でも、ウィーンはいい演奏が毎日聴けます。本当に世界各国の超一流の演奏家がが入れかわり立ちかわり・・・。私は学生時代毎日のように演奏会やオペラに行ったのですが、音楽的にすごい勉強になりました。

 

― いろんな国のオーケストラがウィーンで演奏会をやるんですか。

 

福永 そうです。ウィーンのムジークフェライン(楽友協会)では世界の著名なオーケストラがどんどん来るのですが、立ち見だと安いんですよね。いつも学生が立ち見席にうようよいます。多分500円ぐらいじゃないかしら。

 

ウィーンでお仕事するに当たって日本人の有利な点は何ですか。

 

福永 日本人でよかったと思ったことは一度もないです。別に日本人が嫌われているとかアジア人がどうとかじゃなくて、ただメリットにはならないですよね。室内楽の演奏会とかでも、やっぱりウィーンということを売りにしている演奏会が多いので、見た目ヨーロッパ人じゃなかったらちょっと遠慮してくださいと言われたことはあります。

 

 結構、露骨ですね。

 

福永 まあ、そういうもんだと思います。仕方ないです。でもやはりガッカリしてしまいますよね。日本人で良かったなと思ったことはないですが、こういう経験のおかげで、他人がなんと言おうと自分の信念を強く持って自分のために頑張るというスタンスが出来て、少々のことではへこたれなくなりました。いい社会勉強ができたとポジティブに考えています。

 

 ウィーンが日本人にとって不利な点というのは、ウィーンがちょっと保守的なところでしょうか。

 

福永 そうですね。でもそこがウィーンのいいところと言えばいいところです。反対側から見れば・・・。

 

― ウィーンの伝統を守るみたいな感じでしょうかね。

 

福永 ええ。ウィーンはそれでいいんだと思います。なんだかんだ言いましたが、そんな気質も含めて、私はウィーンが大好きです。

 

 初めてウィーンへ行かれたときの第一印象はどうでしたか。

 

福永 何か・・・埃かぶってるという感じでした(笑)私はウィーンが外国で初めてで、ヨーロッパ自体が初めてだったので、ウィーンがどうとか分からないままだったんですけれども。

 

― 外国に行かれるのもウィーンが初めてだったということでしょうか。

 

福永 そうなんです。

 

― 麻里さまにとってクラシック音楽というのは、一体何でしょうか。

 

福永 「音楽は私自身」とか「私の人生」とか言ってみたいですけど(笑)。でも私にとってはそこまでウェイトはないです。いろいろな生き方があると思うし、他にやりたいこともいっぱいあります。ただ音楽は私の一部分やとは思います。お料理みたいなものかしら。手を抜こうと思ったらいくらでも抜けるし、でも・・・おいしいものが食べたいじゃないですか。おいしいものを食べるためには、いろいろなレストランに行っていろんな味も知らなきゃいけないし、自分であれやこれや考えて試してみて、たまには共同作業しながらまわりと意見を交換して、日々経験を積み重ねて、それでおいしいものが出来上がっていくんですよね。そんな感じの認識です。どうせ食べるならおいしいものをと・・・(笑)。

 

― すごくイメージがわきますね。

 

福永 ええ。そうですね。

 

 ほかにもやりたいことがあるとおっしゃいましたが、今後の麻里さまの音楽的な部分での夢や目標はありますか。

 

福永 そうですね。憧れていたオーケストラに入って、私が有難いと思っていることは、このオーケストラは超一流の指揮者やソリストたちと共演ができること。オーケストラの一員として、凄い音楽家たちと同じ時間を共有できて、同じ音楽体験ができる。オーケストラの先輩たちから、昔どういうすばらしい演奏家がどういう演奏して、とかそういう素敵な思い出話をよく聞くんですよ。私が録音でしか聴けなかった歴史的大指揮者とかも実際に体験している先輩がいるんです。私自身の将来の目標とかじゃないんですけど、歴史に残る名演奏というのをオーケストラの一部分として体験したいというのが夢ですね。音楽をやっていて良かった、毎日の努力やこれまで勉強してきた道のりは、この為にあったんや!と心から思える瞬間は本当に幸せです。でもそのためには毎日気を抜かずに頑張らなくちゃいけないですけどね。

 

 

Image― 今所属されているオーケストラというのは、かなり老舗というか昔からあるオーケストラですよね。

 

福永 そうですね。

 

 有名なソリストさんとか指揮者の方が来られるんですね。

 

福永 そうです。オーケストラがよければよいほどいい指揮者とかソリストが来ますから、オーケストラ全体のレベルアップも大事なんです。先輩方からは技をどんどん盗んで伝統を受け継いでいかなきゃと思うし、元気な後輩が入団してオーケストラが活気付くのも大切だと思います。良い演奏家と共演すると同じ曲でも全然体験できることが違うので、そういうのが積み重なって、もちろん私自分自身のためにもものすごい勉強になりますし、いろいろな体験をこれからもできるのが楽しみです・・・。なので私自身で音楽活動の幅をもっと広げたいとか、そういう気はないんですよね。

 

 そうなんですか?

 

福永 私一人の力では、そんなすばらしい指揮者とかソリストとかと共演することは絶対ないですからね。やっぱりオーケストラの一員として一緒させていただけているということだけですごくありがたいと思っています。

 

― 今、麻里さまもプロの音楽家としてご活躍されているかと思うのですが、音楽家として活躍する秘訣、成功する条件をお持ちでしたら教えていただきたいです。

 

福永 それなりに演奏ができることがまず第一条件ですけど・・・。それ以外であれば、いろいろなものに挑戦していくべきですよね。待っていても何も来ないですからね。こっちは、待っていたら本当に何も来ないです。いくら上手でも、じっとしていたら「上手ね」で終わってしまうので、いろんなものに興味を持っていろんなものに挑戦してほしいです。コンクールでもいいし、室内楽でもいいし、オーディション受けるのでもいいし…こちらはいろんな先生のレッスンを受けに行くことができますし、先生は一人だけではなく、この人すごく上手だなと思ったら、その人に直接申込んでレッスンを受けさせてくださいとか、そういうのが言えるところなので、自分の道は自分で切り開いて、ということが大切ですね。

 

 もちろん技術は必要ですね。

 

福永 でもそれは今日、本当に上手な人たくさんいますからね。だから、チャレンジして売り込んで行くのも大切ですよね。

 

 結構そういうのは、麻里さま自身もされたんですか。自分を売り込みにいったり…

 

福永  売り込みに・・・それがね、本当に難しいですよね。でもせっかく留学してくるんだったら、いろいろチャレンジしていくべきだな、と思います。

 

 今、同じように海外で勉強したいって思っている方がたくさんいるかと思うのですが、アドバイスがあったらぜひお願いをしたいです。

 

福永 おこがましい(笑)そうですね。最近は、外国っていっても身近なものじゃないですか。何十年か前、簡単に留学といったってできるものじゃなかったけど、最近、すごく気軽になって、それはすごくいいことだと思うし、留学というのが特別なことじゃなくなっていると思います。だから、みんなとりあえず気軽に行ってみたらいいんじゃないですか。昔だったら、留学したら一花咲かせてこなければ・・・人生を賭けて海外へ行く、という感じだったんだと思いますけど、最近は、インターネットも普及して情報も簡単に入るし、気軽に行ってみて、まず行ってみて合わなかったら合わないで帰ってきたらいいし、それこそいろいろチャレンジしていろいろ見て、留学というのをそんな大きく考えずにやってみたらいいと思います。とにかく、何かやってみてほしいです。大きな目標を持って留学するべきとかじゃなくて、とりあえず見てみてということができる時代ですよね、今。

 

 昔はやはり、留学するのは大変でしたか?

 

福永 そう思います。昔だったら、外国の先生につきたいなと思っても、まずどうやって、どっからとっかかりをつくっていいのかというのが、まるで分からなかったですよね。それに比べて、最近はいろんな可能性があるので、そういった機会どんどん使っていったほうがいいと思います。

 

― ステキなアドバイス、ありがとうございました!

 

福永 ありがとうございます。





 

近藤富佐子さん/声楽/パリ地方音楽院声楽教授/フランス・パリ

「音楽家に聴く」というコーナーは、普段舞台の上で音楽を奏でているプロの皆さんに舞台を下りて言葉で語ってもらうコーナーです。今回、パリで声楽の教授としてご活躍中の近藤富佐子(コンドウフサコ)さんをゲストにインタビューさせていただきます。「音楽留学」をテーマにお話しを伺ってみたいと思います。
(インタビュー:2011年5月)

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ー近藤富佐子さんプロフィールー
武蔵野音楽大学首席卒業後 専攻科にて学ぶ。大学時代より フランス音楽に興味を持ち パリ音楽院に留学、声楽科、オペラ科プルミエプリ授賞。日本人で初めてPerfectionnementに入学する。s'Hertogenbosch国際コンクール(オランダ)2位、Viottiコンクール(イタリー)3位、Rio de Janeiro国際コンクール(ブラジル)全審査委員一致で1位を獲得。パリ音楽院在学中よりリサイタル、オラトリオのソリスト等出演活動を始める。フランスを中心にして イタリア、ベルギー、カナダ、アメリカ、イギリスで公演。Monteverdi(ottavia) Glück  Mozart(Fiordigigli, La Contessa…)、Puccini(Mimi,Butterfly,Suora Angelica,Liù) Gounod(Marguerite) Massenet Bizetなどのオペラで活躍。オラトリオでは、Bach, Beethoven 第9 Missa Solemnis, Mozart, Rossini,Mendelssohn, Verdiのレクイエムを 歌う一方、リサイタルでは、フランス歌曲、ドイツ歌曲、スペイン歌曲、イタリア歌曲に取り組んでいる。作曲家 Alain Margoni (ローマ大賞、パリ音楽院名誉教授)と結婚し、現代音楽にも力を入れている。現在 国立パリ地方音楽院教授。マスタークラス、国際コンクールの審査員で活躍。 


-まずは簡単な自己紹介をお願いします。

近藤  武蔵野音楽大学卒業後、パリ音楽院へ留学し首席で卒業した後に、大学院にも行きました。その後、演奏家として活動しながら学校の講師もやるようになり、今に至っています。

-声楽がご専門ということですが、音楽に興味を持ったきっかけは何だったんですか?

近藤  小学校に入ってすぐ、音楽というものが楽しくなって、ピアノを習いだしたのがきっかけです。そして、高校1年生のとき、クラブ活動でコーラスを始めてから、声楽に興味を持ち始めました。

-高校から歌を始められて、音楽大学に進み、留学まで至ったわけですね。フランスを選ばれた理由は?

近藤  フランスものに興味があり、それをやりたかったので。

-国に興味があったというより、音楽に興味があったんですね。他にドイツやオーストリアなどの選択肢は?

近藤  友人でドイツやイタリアに行った人もいましたけどね。私は学校でフランス語を専攻をしていたこともあり、行ったらどうにかなるだろうと 思って。赤ちゃんだって、そこに住んでいたらそこの言葉を覚えるだろうと(笑)。「こんにちは」や「ありがとう」程度は話せましたけどね。

-フランスで声楽を勉強する際、悪い点って何かありますか?

近藤  フランスでしか留学していないのでよく分かりませんが・・・。私個人としては、自分の勉強のために行って、それを教えてくれる先生に出会って、そ の勉強が出来たのは良かったと思っています。どこの国に行くというよりも、良い先生に出会うことが大事なんですよね。最初は学校で与えられた先生についた んですが、1年、2年経つうちに自分のやりたい方向性が出てきましたので、他の先生に移って教えてもらいました。

-実力が伴わないと、先生を替えるのは難しいと聞きましたが。

近藤  入学試験や卒業試験がありますよね。その試験によって、何人空きが出るかなんですよ。自分のつきたい先生に、何人空きがあるかがまず問題 で、空きがないと入ることは出来ないんです。今のパリ音楽院では、第一希望者から第三希望者まで書くことは出来るんですけど。自分のやりたい勉強がしっか り決まった状態で、どの先生につくかを考えたらいいと思います。

-留学をする上で最も重要なことは何でしょうか?

近藤  どんな先生にどんなことを学びたいかをしっかり決めて来ること。それが重要です。こちらは、音楽院であって、大学じゃないですからね。専 門家になるための勉強なんです。だから日本の大学みたいに、ある程度勉強すれば4年間で卒業できるというシステムではない。なので、卒業した人たち、皆さ ん「主席」っておっしゃると思いますが、主席でないと卒業ではないんです。私の年でいうと、主席は3,4人しかいなかったです。それを持っていない人は卒 業にならないんですよ。一等賞は卒業になりますが、二等賞は卒業じゃなかったんです。今はだいぶ、大学にシステムを近づけているようですけどね。

-厳しいんですね!

近藤  それを覚悟して勉強しないといけない。今はパリ音楽院も変わって、「一等賞だけが卒業」とならないようになってきていて、賞を取るというのもあります。それも、みんなが取れるわけではないですけどね。

-海外で生活する上で、ストレスになることはありましたか?気をつけるべきことなどもあれば教えて下さい。

近藤  私が先生としての目線で見ていて一番思うことは、どうしても日本人は日本人同士でつき合いが多くなりすぎるということですね。それは問題があると思います。ヨーロッパに来てまで、日本人同士でつき合うというのはもったいないですよ。

-日本人留学生は多いですか?

近藤  国立パリ地方音楽院では、100人くらいいるそうです。私のクラスには3人います。声楽は、私のクラスしかないので、学生同士が助け合って生活していますね。日本人同士だけというのはないみたいですけど

-一番日本人が多い科は?

近藤  ピアノ科が多いんじゃないかな。もともとの人数も多いですからね。

-歌は何人くらいなんですか?

近藤  少ないですね、16人です。私しか先生がいませんので。フランス、トルコ、韓国、アメリカ。フランス人は4人くらいですね。

-留学後にプロの演奏家として現地で働くにあたって、日本人が有利な点、不利な点はありますか?

近藤  ありません。実力があれば。

-やはり実力主義ですか。日本人の考え方や性質などからして不利になることなどは?

近藤  この学校に来る人たちは、学生だけどそれ以上の物を身につけたいという人が多い。日本人で「箔を付けるために留学する」という人がいますけど、う ちにはそれはないです。何のためにフランスまで留学しているのかを、はっきり意識しているんです。どこの国の人でも同じですよ。ただ、日本人や韓国人は、 「自国に帰って教えるためのディプロマがほしい」という人もいるんです。私は、まずはアーティストであって欲しいと思っているんですよね。それが出来た上 で、先生になるならなってほしい。

-近藤さんはそういう道なんですよね。

近藤  たまたまですけどね。知っている方に「先生が病気なので代行して下さい」と頼まれたので。

-それは普通とは違うんですか?

近藤  今では、学校の先生になるための試験に受からないと、教える資格が取れないんです。学校を卒業した後に、さらに先生になるための勉強をしなくてはいけない。私たちの頃はそれがなかったので。

-いちばん最初は、どうやって音楽家の仕事を見つけたんですか?

近藤  私の場合は学校に在籍している間に、コンクールで賞をもらったんですよ。それで、劇場のオーディションに行って、ディレクターに次の舞台に出てくれなどと頼まれたのが始まりです。それから少しずつ、マネージメントもやってくれるようになって、進んでいきました。

-漠然とした質問ですが、音楽は先生にとってどういうものですか?

近藤  難しいですね(笑)。まず、音楽がない生活は考えられません。主人は作曲家なんですけど、私たちは二人ともこれを職業にしようと思ってい た訳じゃないんです。好きなことを一生懸命勉強していたら、職業になってしまった。それしかないという状態ですね。こうなりたくてこうなったというわけ じゃなく、好きで好きでしょうがなくて、あれも知りたいこれも知りたいと勉強していたら、今に至ったという感じです。そのほかにやることがなかったのもあ るんですけど(笑)。

-高校生で歌に出会ってから、「これだ」と思われたんですね。

近藤  音楽以外に何が出来るかって、考えたこともないです。これが普通なんですよ、わたしにとって。音楽で生活をしている人はみんなそうだと思いますよ。

-ご主人様は、どちらの方なんですか?

近藤  イタリア系フランス人です。作曲家で、ローマ大賞をもらっている人で、パリ音楽院のアナリーゼをやっていました。たまたま彼の作曲した歌を私が歌ったのが出会いです。

-フランス音楽を勉強した方なんですか?

近藤  彼の場合は11歳くらいからパリ音楽院に入って勉強していました。先ほども話したように、音楽院は大学ではないので。音楽しかやっていない人なんです。

-一緒に音楽活動をされたりするんですか?

近藤  よく彼の作曲したものを歌ったりはしました。でも、そんなに楽しくないんですよ(笑)。大げんかになりますから。「どうしてこれが出来な いのか!?」「書き方が悪いからだ!」みたいに怒鳴り合ったりもしましたよ(笑)。専門になるとお互いその道に厳しいですからね。なので、主人とは仕事し ないようにしていました。

-仕事以外での共通の趣味はあるんですか?

近藤  主人も私も美術館巡りが好きなんです。そういうことは話が合います。

-日本にはよく来られるんですか?

近藤  一度来たことはあります。それ以来、仕事だったりアイスランドの噴火だったりで、なかなか来られません。日本食もなんでも食べますので、また連れてきたいですね。

-では、近藤さんの音楽を通しての夢を聞かせて下さい。

近藤  自分の生徒に対して、自分にしかできない音楽を作り出してもらうことですね。今は、いろんなところから音楽が入ってきて、聞いているうち にみんな同じような音楽しか作れない。楽譜を読んで、歌詞もあるし、それをよく読んで、どういう風に表現したいかを、自分で見つけ出して欲しいと思ってい ます。自分の頭の中で、楽譜だけで想像して欲しい。「誰々の演奏を聞いたらこうやっていた」とかいうのを聞かされても、おもしろくないですよ。

-経験がないと難しいでしょうね。

近藤  本を読んだとき、イメージがわきますでしょ?景色がうかんだり、主人公の仕草なんかをイメージできるでしょ?それと同じことです。先に映 画を見ないで、本を見て自分で映像を作り出して欲しい。人によって違うからこそおもしろい。そこまで行くには時間はかかりますが、時間をかけてやって欲し いですね。楽譜を読むというのはそういうことだと思います。音と音の間を読むんです。

-難しそうですね・・・。

近藤  難しいけどそこが楽しいんですよ。そして楽しくてやめられなくなりますよ(笑)

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-作曲家が作ったときのことをイメージするっていうのも大事ですよね。

近藤  作曲家は創作家です。私たち音楽家は、創作家のお手伝いをする人なんです。どうやってそれが出来るかの問題なんですよ。

-昔の曲は、その人はもういないから難しいですよね。

近藤  それがおもしろいところ。演奏家によって味が変わってくる、それがおもしろいところなんですよ。作曲家の意図とずれちゃっているということもあり 得るんです。有名な演奏家でも、「私はこの人のこういう演奏はイヤだ。私はそうは思わない」っていうのもありますよ。でもそれで良いんじゃないかと思いま す。

-その違いを理解するのも音楽の楽しさなのでしょうか。

近藤  高校生の時、ある先生が、同じ曲でいろんな人の演奏を聴かせてくれて、すごくおもしろかったですよ。その先生自身が作曲家だったんですけどね。ベートーベンのシンフォニーを、いろいろな指揮者バージョンで聴かせてくれて。

-自分の感覚と合う指揮者が見つかるかもしれないですね。オーケストラによっても違うのでは?

近藤  この曲はこの人に演奏してもらうとすごく良い、とか好みが出て来ます。

-自分の音楽を作れる人を育てていく、というのが今後の先生の夢なんですね。

近藤  はい。そういう音楽家を作り出したいですね。努力しています。

-最終的には一人一人が努力することですものね。

近藤  私がやっているのは、糸のはじっこを見つけて引っ張り出していくという作業です。勉強の仕方を教えるだけで、生徒が勉強してくれるんで す。いつも、「私の言っていることは、全部は正しくはない。正しいと思うことは、全部自分で見つけてください」と言っています。それに私は、「先生」とは 呼ばれたくないんです。なので、みんなフサコって呼んでいますよ。私も仕事という感じではなく、本当に楽しいですよ。

-楽しそうですね。

近藤  ぜひ、今度来て見て下さい。ほかの楽器の人もよく来るんですけど、私のクラスのドアはいつも開いているので、勝手に入って勝手に聴いて いって下さい、というシステムなんです。「見に来ていいですか?」と聞かれたら「もちろん!」と。私の生徒もいろいろ話が聞けて刺激になるんじゃないで しょうか。

-声が楽器となると、コンディションを維持するのは大変じゃないですか?

近藤  風邪を引いたときでも歌えるようにするのがテクニックだと思っていますから。舞台に立つ人間は、熱を出しても舞台を休むことは出来ませんから。

-いつもと声が違うというのはわかっていながら舞台に出るんですね。

近藤  歌は、声だけじゃなくて他の要素もあるというのを知って欲しいです。声がなくても表現は出来ますから。美声がなくても表現が出来る。 ちょっとした風邪くらいで、歌には影響しません。声以外が一番大切。声は道具であって、表現が一番大事なんですよ。表現を入れると、声じゃなく表現が聞こ えてくる。感情がいかに外に出て行くかですね。

-そうなんですね。素人には、どんな風に伝わっていくのか想像できません。

近藤  たとえば、わたしはカラスの声は嫌いなんですが、彼女の表現は素晴らしいと思う。そういうことですよね。

-声以外のところから聞き取るものなんですね。

近藤  誰かが怒っている時って、きれいな声じゃないけど怒っているのは伝わりますますよね、それと同じです。悲しいのも、声じゃなくてほかのこ とで悲しんでいるって分かりますよね。不思議なものですけど、それが魅力でみんなやっているんだと思います。ピアニストもバイオリニストも音があって、音 色がありますが、音色以外に何かがありますでしょ?

-聴く側も、聴く技術っていうのは必要ですね。

近藤  いえ、読み取ろうとか、堅くなって聴かなくて良いんですよ。伝わるか伝わってこないかは観客の能力は必要ない。演奏家の能力です。観客は好きだとか嫌いだとかそれで良いと思います。

-聴いてみて「いいな」とか「好きだな」と思ったりすることで良いのでしょうか。

近藤  それで良いと思います。理解することは必要ないです。感激したかどうか。

-同じ演奏を聴いても、自分が置かれている状況で、聞こえ方や受ける感動が違うなということはありますけどね。

近藤  そうそう。それで良いんじゃないかと思いますよ。芸術は良いときと悪いときがあって普通だと思います。聴く方にしても、その時の状態で変わってきますから。頭を固くしなくても大丈夫だと思います。

-最後に、これから音楽を海外で勉強したいと思っている人にアドバイスをお願いします。

近藤  音楽は贅沢なものなんです。それを出来るチャンスがある人は、すごく努力して良い物を作って欲しいと思います。今、出来ないことでも、努 力をすると出来るようになる、だからそれを忘れないで毎日努力して下さい。あと、音楽をやる人は音楽を聴いているだけではダメ、他のことにも興味を持って 欲しい。フランスに来たら、フランスのパンを食べてワインを飲んでチーズを食べて・・・と、生活に取り入れていくうちに、フランス音楽は見えてくるんです よ。外国に行った人は、そこの国の食べ物を食べることで音楽が分かってくる。美術館で絵を見たりするうちに、その国の感じが分かってくる。生活の仕方が分 かれば音楽につながる。テクニックばっかり勉強しても無理ですよ。

-周りの環境も積極的に取り込んで、楽しんでいくということですね。

近藤  それじゃないと行った意味がないですからね。

-私もすごく勉強になりました。今日はお忙しいところ本当にありがとうございました!
 

藤木沙織さん/ハープ/フランツ・リスト音楽大学夏期マスタークラス/ドイツ・ワイマール

音楽留学体験者でなくては分からないような、音楽大学、音楽専門学校、音楽教室のコースプログラム、夏期講習会、現地の生活情報などを伺ってみます。将来の自分の参考として活用してください。


フランツ・リスト音楽大学夏期マスタークラス藤木沙織子さんプロフィール
10歳よりハープを始める。洗足学園音楽大学を2008年3月に卒業。2008年ワイマール・フランツリスト音楽大学夏期マスタークラスに参加マリア・グラフに師事。



-はじめに簡単な自己紹介をお願いします。

藤木 母の手ほどきで10歳くらいからハープに触れました。本格的に始めたのは16歳のときです。それから先生に習い始め、洗足学園音楽大学に入学、こないだ(2008年)の春卒業しました。

-今までに講習会に参加されたことはありますか?

藤木 いえ、今回が初めてです。

-海外に行かれたことはありますか?

藤木 大学の演奏旅行や個人旅行で行ったことがあります。ドイツは今回で4回目です。

-今回ドイツの講習会に参加されようと思ったきっかけは何ですか?

藤木 マリア・グラフ先生の講習会を探していて、たまたまワイマールでやっていたので参加しました。

-マリア・グラフ先生に習ったことはあったのですか?

藤木 いえ、ないです。でも、ドイツで一番弾ける先生だと思っているので、是非ついてみたいと思っていました。

フランツ・リスト音楽大学夏期マスタークラス-実際にレッスンを受けてみていかがでしたか?

藤木 もう圧巻でした。全然、裏切られなかったし、すごくいい先生だし、よかったですね。典型的なドイツ人で、元気のいいおばちゃんといった印象です。声が大きくて、明るい先生でしたね。すごく元気がいい方でした。

-そんな先生の音楽観はいかがでしたか?

藤木 とても音楽的でした。曲も全部お手本を聴かせてくれる先生なので「すごい!」と感動の連続でした。中には弾かない先生もいるんですけど、マリア先生は「こうするんだよ」と全部弾いてくれましたね。

-テクニックはどうでしたか?

藤木 やはりすごかったですね。自分がこれまで日本で習っていたこととは違うところは多々あったんですが、ハープはヨーロッパで生まれたものなので、ドイツ人が弾くハープはいいなと思いました。

-今までに先生の演奏を聴かれたことは?

藤木 ずっとCDで聴いていたので、初めて生で聴くことができて感動しました。

-講習会の参加者は何名でしたか?

藤木 ハープ科は11名です。8人がドイツの子で、1人スイスの子がいて、あとは日本人2人でした。

-どんなスケジュールだったんですか?

藤木 初日は、午前中にオーディションがあって、夕方からグループレッスンでした。先生がスケールや基礎練の課題を出して、それを一人ずつ公開レッスンで弾くようなかたちでした。翌日から、個人レッスンが始まって、3〜4日のうちに50分レッスンが2回組まれました。個人レッスンの他には、たまにグループレッスンが入ってくる感じでした。

フランツ・リスト音楽大学夏期マスタークラス-オーディションはどんなものでしたか?

藤木 名前を言われて、みんなの前で弾きました。緊張しましたね。

-ほかの受講者の実力はいかがでしたか?

藤木 自分がいつか弾きたいと思っていたコンチェルトを平気で持ってきていたので、すごく焦ったし、なんか場違いなんじゃないかと思いました(笑)。みんなすごく上手でした。

-他の受講者の年齢はどのくらいの方だったんですか?

藤木 一番下の子は、大学生で二十歳くらい。一番上は、30ちょっと過ぎのでした。他にもプロオケの空き待ちの子もいて、年齢層は思っていたよりも高かったです。

-レッスンはどういうふうに進みましたか?

藤木 オーディションで弾いた曲を見せたら「ちょっとここ気になったから弾いてみて」と言われたので、まず先生の気になるところを全部見てもらいました。その次に、自分が見てもらいたくて持っていった曲を見てもらいました。

-教わったことで印象に残っていることを教えてください。

藤木 「あなたは体が小さいから、こう弾いたらいいんじゃない」など、日本の先生にはない発想で楽器を使うことです。あとはハープの独特な奏法で、ドイツ人が好む弾き方を教えてくれました。私が日本で習っている先生はフランスで勉強された方なので、ちょっと弾き方が違いました。わりとテクニック的な部分が多かったと思います。

-レッスンは何語で受けられたのですか?

藤木 英語とドイツ語です。ドイツ語を勉強していったので、8割はドイツ語でした。ちょっとわからない単語は英語を使っていました。こうしたいああしたいってのはドイツ語で話せるのですが、英語のほうが覚えている単語が多いので単語は英語で、といった感じでした。

-いつもとは違う日本語ではないレッスンはいかがでしたか?

藤木 わけがわかんなかったです(笑)。でも、音楽用語はドイツ語やイタリア語で世界共通なので、そのあたりはわかりました。

フランツ・リスト音楽大学夏期マスタークラス-スケジュールの中にレッスンの他にオーケストラがあったと思うのですが、いかがでしたか?

藤木 私たちは聴講だったんですが、隣の町のプロのオーケストラの人に協力してもらって、そのクラスから4人、コンチェルトをそのオーケストラで弾かしてもらっていました。ハープのコンチェルトなんですけど、ドビュッシーのダンスとヘンデルのコンチェルト、モーツァルトのコンチェルトあとはオケの人たちが探して来てくれたコンチェルト系の曲を演奏していました。

-これまでにコンチェルトを聴く機会はありましたか?

藤木 けっこうありました。ハープのコンチェルトはもともと数が少ないので、限られているんです。例えばモーツァルトのフルート・ハープのコンチェルトなんかは有名ですし……。それで、いろいろな先生のコンチェルトを聴いたことはあるし、いつか自分も弾きたいと思っていましたし……、でも、やっぱり同じ世代の子が弾いているのを見て、ショックというかなんというか、すごいんだなぁ……と思いました。

-オーケストラ・スタディー中先生はどうしていたんですか?

藤木 先生はすごく口出ししてましたね(笑)。指揮の人も止めていないのに勝手に止めて、こうしなさい、ああしなさい、と。

-勉強になりましたか?

藤木 そうですね。私の知らない奏法で弾いていて、こう弾くんだ、ああ弾くんだ、という発見もたくさんありました。

-レッスンや聴講で驚いたことはありますか?

藤木 聴講していたレッスンで、生徒と先生が喧嘩をしていて、何で怒っているのかわからなかったんですけど、先生が怒って出て行ってしまったことがありました。弾き方にくい違いがあって、先生が怒ってしまったのか、その子が素直に聞かなかったのかなぁ、と。見ていると、ヨーロッパ人って、自己主張が強いんですよね。先生が「こうして弾きなさい」と言っても、「いや、私は腕が長いから、こうしか弾けないんです」と返したり……。そんなやり取りをするので、聞いていてびっくりですよ。私は先生に言われたら、「そうですね」って自分の中で消化して、弾くと思うんですが、向こうの人は、私はこうだから、というのが強いと思いました。日本人のような謙虚なところがないので、順番待ちで順番にいらっしゃいと言われても、どんどん出て行かないと最後まで残ってしまうんです。そういうヨーロッパ人と日本人の違いを感じました。

フランツ・リスト音楽大学夏期マスタークラス-そんな中で、今後やっていけそうですか?

藤木 自分も強くならないとダメだなと思いましたね(笑)。でも、みんな話をするとすごくいい人たちだし、ちょっと話すようになると、挨拶をしてくれたりするので楽しかったですね。

-そんな海外の方とうまく付き合っていくコツはありますか?

藤木 みんなとても音楽が大好きで、ちょっとお酒が入った席でも、作曲者の話をしていたり、音楽に熱いんですよね。すごく好きなのが伝わってきて、自分も半端な気持ちじゃできないなと思いました。言葉の壁はあったのですが、そういう気持ちは世界共通なので、海外の人とも仲良くできると思いました。

-なるほど。

藤木 言葉がわからなくても、作曲者の名前が出てくれば、何の話をしているのかくらいはわかりました。いろんなハーピストの弾き方の真似をしてみんなで笑ったり、「あいつはこんなハーピストだ」とか、私が知らないことをみんなが知っていて、おもしろかったです。あとは、普通に女の子の話(笑)、「彼氏いるの」とか、「彼氏どこに住んでるの?」とかそんな話をしました。

-どこでそんな話をしたんですか?

藤木 受講者のうち3人が、先生と一緒にベルリンから来た同じ大学の子たちなんです。だからもともと友達だったようで、1人誕生日の子がいて、「誕生日会やるから今夜来ない?」とか、生徒同士で一回飲みにも行ったし、レッスンの後に先生がクラスのみんなとジェラートを食べに連れて行ってくれたり、向こうの子たちが気を使ってくれたのかもしれませんが、「あの子たちも誘おう」みたいなのがあって、言葉の壁はありましたが、とても楽しかったですね。

-練習はどこでされていたんですか?

藤木 レッスン室のほかに、練習室が2部屋あって、ハープが1台ずつ置いてあったので、そこを使いました。ただ、11人受講生がいて、何時から何時までは誰が練習するといった打ち合わせが一切なかったので、みんなのいない時間を見計らって練習していました。練習塔が朝7時半から使えたので、朝早く起きて、8時からレッスンが始まる10時まで練習したり、お昼過ぎは、ヨーロッパの人たちはお昼寝をしたり休憩を長く取るんですよね、なので、そういう時間を狙っていました。でも、他の人とかぶってしまったら、「あと何分練習したいんだけど……」と伝えて、うまくやっていましたね。

フランツ・リスト音楽大学夏期マスタークラス-譲り合って使う感じですか?

藤木 そうですね。もっと強引に「私、使うから」と言われると思ったんですけど、意外と譲り合うところがあって、「もうちょっといい?」って言うと、「いいよ」って言ってくれました。でも、そもそも、他のみんなはあまり練習をしていませんでしたね。もっと練習しないのかな、とは思いましたけど、どちらかというと、先生の授業を聴くという目的で来ているので、しっかり聴講していました。こっちは練習もしないと、とがむしゃらだったので、なるべく朝に練習するようにしていました。

-朝は他の受講生は来ないんですか?

藤木 来ません。授業もヨーロッパ人はギリギリに来るんですよ。10時のレッスンだと、10時のレッスンの子は来るんですけど、聴講の子たちがレッスン室に入ってくるのは10時半とか11時とか、まちまちでした。聴講は出入りも自由だったのですが、だいたい遅かったです。朝が強いのは、やっぱり日本人かなと(笑)。

-藤木さんは昼寝はしなかったんですか?

藤木 最初は時差ボケもあったので、昼寝をしていました。レッスン中に眠くなるのが一番辛いし、せっかく参加しているのにもったいないと思ったので。朝は時差ボケのせいで、6時くらいにはパッと目が覚める。午前中のレッスンを聴講したら、午後の休みが3時間くらいあるので、一度ホテルに帰って1時間寝て、また午後のレッスンに出かけるっていう生活をしてました。

-なんだかヨーロッパ的な時間の流れですね。

藤木 そうですね。日本では、昼寝なんか絶対しないじゃないですか。ゆとりがあるんだなと思いました。

-レッスンと練習以外の時間は何をされていましたか?

藤木 本当に時間がつめつめだったので、お昼にちょっと街に出て、ご飯を買って食べたり、スーパーマーケットに寄り道して帰ったりしたくらいです。ワイマールという街も歴史があるので、観光もしたかったのですが、そんな時間はなかったですね。最終日は午前中で終わったので、午後はバスで街を一周しようと思っていたのですが、案外何もなかったので、余った時間は荷作りをして終わりました。

-ワイマールのほかの街に観光はされましたか?

藤木 フランクフルトとハイデルベルク、ケルンに日帰りで新幹線を乗り継いで行きました。ハイデルベルクは1度行ったことがあって、ワイマールからはちょっと遠いし、新幹線代も高いので、どうしようかなって思っていたんですけど、行かないと後悔するかなと思って行ってきました。街をウロウロして景色を見てきました。すごく景色がきれいなところなんです。

-新幹線は現地に行ってから切符を取ったんですか?

藤木 はい。自販機だとわからないので、直接窓口に行って「ハイデルベルクまで往復切符下さい」って。時刻表をよく調べて、電子辞書を片手に(笑)。

フランツ・リスト音楽大学夏期マスタークラス-電子辞書はやはり必要ですか?

藤木 常に持ち歩きました。簡単な会話帳と電子辞書と自分なりに考えた使えそうな単語のリストは持ち歩いていました。

-ホテルはどうでしたか?

藤木 よかったですよ。日当たりもいいし、特に不満はなかったです。結構大きい系列のお店で、設備もよかったですね。

-ご飯はどうしていましたか?

藤木 ホテルに食事が付いていないプランだったので、パンやハム、チーズ、バター、サラダを買って、ホテルの冷蔵庫に入れて、朝はそれを食べました。お昼も作って持って行って、学校で食べました。あとは、温かいものが食べたいときは、自分が日本から持っていったカップラーメンを食べたり、スーパーでカップラーメンを買って食べました。

-お値段はいくらくらいでしたか?

藤木 サラダが1パック1ユーロちょっとくらいです。ハムは1ユーロか2ユーロでした。バターなどは5日間くらい使いまわしていたので、1食2ユーロかかっていないと思います。そんなに外食をしなければ、生活できると思います。日本食が恋しくなければ生活には困らない感じでしたね。

フランツ・リスト音楽大学夏期マスタークラス-外食はしなかったんですか?

藤木 1回だけしました。日本でいうファーストフードみたいで、鮭などのお魚が美味しいお店でした。レジで「これとこれ」って言うと、お皿に盛ってくれて、だいたい10ユーロくらいでした。それに飲み物をつけると、やっぱり高いなと思って、外食は1回きりでした。

-持って行ったほうがいいものはありますか?

藤木 シリアルのような乾燥している食べ物をよく朝食べるので、1箱持ってっていきました。あとは、部屋で食べるなら、スプーンやフォークは持って行ったほうがいいですね。サランラップ、アルミホイル、ポカリの粉とか日本茶、水筒とかもあるといいかと思います。

-ワイマールで暮らしていくと考えるとどうですか?

藤木 街のつくりを覚えて、スーパーマーケットの使い方覚えれば、暮らすのには困らないですね。歩いてみて、郵便局や銀行やデパートの位置を覚えれば、大丈夫だと思いました。

-住みやすい街ですか?

藤木 過ごしやすそうですね。ただ、昔ドイツが東と西に分かれる前の境の町は治安もそんなによくないから一人で出歩かないように、と、いろんな人に言われたんです。実際に行ってみると、街灯がないので日が暮れると真っ暗なんです。だから、ちょっと怖いなと思いました。

-夜、歩くことはありましたか?

藤木 友達の誕生会で、遅くなったときにバスがなくなってしまったのでホテルまで歩いて帰りました。遅くといっても10時解散くらいで、スイスの子もホテルに泊まっていたので日本人の子と3人でした。ホテルまで15分歩くんですけど、街灯も何もなくて道路脇の家の電灯やたまに通る車のライトくらいしか明かりがなかったです。酔っ払っていたし、3人でワイワイ帰ったので、あまり怖くなかったですけど(笑)、一人だったら、やっぱり怖いですよね。

-移動はどうされていたんですか?

藤木 バスを使っていました。市内のバスカードがあって、普通に1回乗ると3ユーロ近くするので日本円にすると500円くらいしてしまって高いんですよね。なので、最初の日に3日間で10ユーロの切符を買って、あとは3日間で5ユーロずつでした。レッスンに行って、一回ホテルに帰って、休んでからまたレッスンに行くと1日2往復バスを使うので、元は取れました。でも、会場まで歩いている子もいましたよ。歩いても行けるんですけど、私たちはそこからさらに山を15分登らなければいけないので、大変なんです。一度私も歩いてみたのですが、レッスン室まで30分かかるんですよ。だからバスを使っていました。

フランツ・リスト音楽大学夏期マスタークラス-バスのつくりはどうでしたか?

藤木 あまり日本と変わりません。普通のバスがゴムのウネウネで2台つながっているやつなので、絶対に座れました。バスの運転手さんも優しかったですね。

-交流とかあったんですか?

藤木 「ハロー」とか「グーデンターク」とか。降りるときも、「チュース」と言うと、「チュース」って返してくれました(笑)。そうやって通じるだけで、あいさつって、楽しいですよね。

-街のみんさんもそんなふうに明るい感じですか?

藤木 そうですね。でも、観光地の中心みたいな感じだったので、観光客が多かったと思います。同じような日本人や中国人がいたので、あんまり街の人って分からなかったですね。街に住んでいる人は、たぶんもうちょっと違うところに住んでるのかなと思いました。あるいは、夏の休暇中なんで、みんな出て行ってしまったのかな。逆に街は静かでした。

-街のつくりはどうでしたか?

藤木 石畳がすごかったので、ミュールでは歩きづらかったです。ヒールのないパンプスは持っていったんですけど、半分森だったので、スニーカーを持ってくればよかったと後悔しました。街並みはいい街並みでしたね。ワイマールは戦争の空襲でやられたという話は聞かないんですけど、新しい建物もあって、同じように古い造りを並べて作ったりしていて、建物も古い造りを再現しているんじゃないかな、と思いました。ヨーロッパっぽいかんじで素敵でした。

-そういう風景を見ていかがでしたか?

藤木 ワイマールはリストが過ごした街なので、こういう景色を見て、こういう音楽ができるんだとか、そういったことをすごく感じました。だから、やっぱりヨーロッパの田舎っていいなと思いした。

フランツ・リスト音楽大学夏期マスタークラス-今回、講習会に参加してよかったなと思える瞬間はありましたか?

藤木 憧れていた先生の生演奏を聴いただけでも、もう帰ってもいいと思いました(笑)。先生は自分の中で本当にすごい人で、その先生の演奏を聴けるだけでも行く価値があると思って今回参加して、本当にその通りでした。自分の演奏でよくないところは自分でもわかっているし、先生も基礎練を見ているわけではないので、ある程度ちゃんと弾けなきゃいけないんです。でも、それはもう自分次第なんですよね。なので、他のヨーロッパの子の演奏を聴いたり、向こうの環境に触れたり、先生の演奏を聴けたことのほうが大きかったなと思います。すごくいい刺激になりました。

-今回の留学で成長したなと思うところはありますか?

藤木 ちゃんと基礎練をしようと思いました。基礎練のコピーをたくさんもらって、全然できない自分にびっくりしたんです。できると思って、やっていなかったんですよね。曲の練習ばかりになってしまっていたので、基礎に戻った感じがします。先生の言われたことを忘れずに、また頑張ろうと思いました。

-基礎ができないというのはどういうことですか?

藤木 音が小さい、ということをずっと言われました。「ほんと音小さいわよ、聞こえない」みたいな。日本だと言われたことがなかったので、自分の音量が普通だと思っていたんです。だから、スケール違うんだなぁと思って、見つめ直す機会になりました。

-日本とドイツの音楽面の違いは何か感じましたか?

藤木 ハープの方って日本でも少ないので、フランスやドイツ、アメリカで留学されている方も多く、全然文化の交流がないわけではなんです。私も先生のフランスの弾き方もわかるので、あんまりハープに関しては、音楽面の違いは感じませんでした。

-人の接し方では国の違いを感じましたか?

藤木 やっぱり、もっと自己主張しなきゃいけないなと思いました。あとは、ドイツに行って帰ってきて、日本人ってなんであんなにあいさつしないんだろうとか、親切じゃないんだろうと感じました。やはり文化の違いなんでしょうね。

フランツ・リスト音楽大学夏期マスタークラス-今後、留学を考えている方にアドバイスをお願いします。

藤木 私自身、語学をしっかりやっておかないと、とすごく思いましたね。先生とのコミュニケーションに限らず、現地まで行くにしても、いろんな人に道を聞かなければならなかったですし。向こうの人は、ほとんどの方が英語をしゃべれるので、英語はしっかりやっておけば困らないと思います。あとはその地域の語学もやっておけば、なおさらいいと思います。

-他にはありますか?

藤木 向こうの気候ですね。考えていたよりもすごく寒かったんですよ。それで、向こうでコートを買いました。日本と思って行っちゃいけないなと思いましたね。よく下調べをしておくといいと思います。

-体調を崩したりはしませんでしたか?

藤木 大丈夫でした。でも、薬は万全に持っていきましたね。風邪をひいたら、のどが痛かったら、お腹が痛かったら、とそういう薬は全部持って行きました。

-今後はどういう活動をされたいのですか?

藤木 ある程度、自分のやりたいことがわかったので、もうちょっと調べて、向こうの大学に行けたらと思っています。やっぱりドイツのあたりで勉強したいですね。

-応援しています。今日はありがとうございました。

Y.Tさん・藤井尚子さん/ピアノ/ベネチア音楽院サルヴァトーレ・スパノ教授・アンドビジョン特別プログラム/イタリア・ベネチア

音楽留学体験者でなくては分からないような、音楽大学、音楽専門学校、音楽教室のコースプログラム、夏期講習会、現地の生活情報などを伺ってみます。将来の自分の参考として活用してください。


ImageY.Tさんプロフィール
3歳よりヤマハ音楽教室でピアノ・エレクトーン・ソルフェージュを始める。小学4年時に専門コース修了。その後、中学校から、大学付属の音楽教室にてピアノ実技・音楽理論を学び、音楽高校・大学進学。卒業後は、レストランや施設での演奏活動の他、音楽教室で子供から大人までのピアノ指導にあたっている。2010年9月ベネチア音楽院サルヴァトーレ・スパノ教授の講習を受講。

藤井尚子さんプロフィール
3歳よりヤマハ音楽教室に入会。6歳よりピアノを始める。現在、音楽大学4年。2010年9月ベネチア音楽院サルヴァトーレ・スパノ教授の講習を受講。


-まずは、おふたりの簡単なご経歴を教えてください。

藤井  正式にピアノを始めたのは6歳からです。その前にヤマハの幼児クラスに通っていました。そして、小学校1年生の時に、今の学校の音楽教室に通い始めて、高校から今の大学の音楽高校に入りました。

Y.T  私も、4歳になる少し前にヤマハの幼児科に入り、ジュニア科を経て、専門コースで週に2回、個人とグループでエレクトーンなどを習っていました。中学受験で一時やめていたんですけど、中学校に入り、その後大学卒業までお世話になった先生に師事し、ずっとその先生についてピアノをやっていました。

-今まで、講習会などで、海外の先生について習った経験はありましたか?

藤井&Y.T  今回が初めてでした。

Image-今回参加を決断されたとき、一番大きな決め手は何だったんですか?

藤井  ホームページに先生がオープンで・・・ということが書いてあったのが大きかったです。

Y.T  私もそうかもしれないですね。あと、私はもともとイタリアが好きで、何度もイタリアに行ってるんです。観光や語学留学で。それで、どうせもう一回行くなら、ピアノもやりたいな、と。

-先生はどんな方でしたか?

藤井  想像以上に優しくて親切な方でした。いつも笑顔で。

Y.T  とても面倒見が良い方でした。「コンクールでも試験でもないんだから、緊張しなくていいよ。」とか、「僕たちは、ここではひとつのファミリアなんだから。」って何度もおっしゃっていました。なので、最初は緊張しましたけど、すぐ慣れました。みんな一緒になって笑って、すごくいい雰囲気でしたね。

-日本の先生とは違いますか?

藤井  違うなと感じました。本当にエネルギッシュでよく歌って下さって、一緒に楽しんで音楽を奏でているという感じがしました。

-今回はもう一人の男性の方と、たまたま同じ時期に同じ先生のレッスンを受講することになったんですよね?他の方のレッスンを聴講していかがでしたか?

藤井  すごく勉強になりました。先生のレッスンを受けている時、自分自身のことよりも二人の演奏がどんどん変わっていくのがすごくよく分かって、ああ、すごいなって感動しました。

Y.T  私もいろんな意味で勉強になりました。この3人が集まったことは、とてもラッキーだったなって思います。最初は、自信がなかったので、見られるのは恥ずかしいって思っていたんですけど・・・。何より、先生が一人2時間くらいずつレッスンしてくださったんですよ。いつも時間をオーバーして、熱心に指導してくださいました。私たちも早めに行っていたんですけど、先生はもっと早くにいらしていて、予定時間よりかなり早くからレッスンは始まり、終わる時間はオーバーしていたという感じで・・・(笑)休憩なんて、5分10分でしたから、先生も相当ハードだったと思いますけどね。それでも毎日付き合ってくださいました。3人が持っていったレッスン曲以外にも、「それで言うなら、これも一緒だよね。」って、例になる曲を弾いてくれたりとか、どんどん広がっていくような感覚でした。

-雰囲気が伝わってきますね。レッスンはイタリア語でしたか?通訳さんはいらしたんですか?

Y.T  通訳はいませんでした。イタリア語のレッスンです。先生も、ちゃんと伝わっているかどうか確認しながらっていう感じでしたね。

藤井  二人はすごく話せるんですよ。私一人、ぜんぜん出来なかったので、ほとんど訳してもらっていました。

Y.T  自分から話すのは難しいですけど、先生がすごくゆっくり分かりやすく話してくれたんですよ。身振り手ぶりも交えて演技してくれたり。だから、先生がおっしゃっている事は、ほとんど理解できたんですけど、自分から話すことが出来なかったので、もっと勉強しないとなって思いました。

-Y.Tさんは、イタリア語はどのくらい勉強されたんですか?

Y.T  大学生の頃、3年間くらいですね。あとは、語学の短期留学で4週間のホームステイを2回しました。

-では、藤井さんとしては心強かったですね。

藤井  はい。本当に。

Y.T  でも、音楽用語はイタリア語が多いので、分かりやすいって言えば分かりやすいですよね。それに、言葉が分からなくても、レッスン中は先生が聞かせてくれたり、歌ってくれたりしたので理解できると思います。先生は、一人何役も演技してくれたりするんですよ(笑)。

-練習時間は、思う存分取れましたか?

藤井  個人的にはもう少し練習できたら嬉しかったです。でも、どの講習会も大体、練習できるのは3時間くらいだと思うので、これが普通だと思います。練習環境はとてもよかったです。

Image-街の雰囲気はどんな感じでしたか?日本人はいるんですか?

Y.T  すごく良かったですよ。素敵でした。街の人もみんな親切な人ばかりでしたし。日本人は、観光客でたまにいましたけど、そんなにいませんね。

藤井  面倒見がいい人が多い気がします。イタリアの人って。

-レッスン以外でも、やはり語学が出来るといいですよね。

Y.T  そうですね。レッスン以外のところでも、いろいろ吸収できたのも良かったです。あの雰囲気や空気の中でピアノを弾くだけでも違うと思いますよ。

-宿泊先はホテルですか?

藤井  B&Bでした。お部屋のインテリアも素敵で、オーナーの方もとても親切で優しい方でした。

-もしもう一度機会があったら、参加したいですか?

藤井&Y.T  行きたいです!

-また同じイタリアに?

Y.T  他の国ににも行きたいですけど、やっぱり、同じ先生に会いたいですよね。コンサートとかあったら、絶対行きたいです。先生は世界中にたくさんお弟子さんがいらっしゃるから、覚えていてくださるかは分かりませんが、再会したら、「お父さん、久しぶりー!」って抱きついていけるような雰囲気を持った方なので。

-今日は、貴重なお話をたくさん聞かせていただいて、ありがとうございました!

vol.133 音楽留学アンドビジョン【グラーヴ春期音楽講習会)】

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━vol.133━2010.12.17━ ◆◆音楽留学アンドビジョン◆◆ ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋━ もくじ∥【1】ごあいさつ ∥【2】前回の特集 ∥【3】グラーヴ春期音楽講習会 ∥【4】お勧め☆シチリア島観光ツアー ∥【5】編集後記 ∥【6】次回予告 ∥発行:アンドビジョン株式会社        ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋━ ーーーー♪♪♪ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 【1】ごあいさつ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー♪♪♪ーーーーー こんにちは、アンドビジョンの大野です。 誠に勝手ながら、12/28(火)18:00PM~1/4(火)までを年末年始 休業期間とさせていただきます。休業期間にお問い合わせいただい た方は、1/5以降のご返信となりますので、予めご了承下さい。 さてそれでは、今週もたくさんの情報をお伝えします☆ ーーーー♪♪♪ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 【2】 前回の特集 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー♪♪♪ーーーーー 前回の特集です。 ●バークリー音大 http://k.d.combzmail.jp/t/4y39/90wzdsy0qg5tr1mbd8 ●バークリー音大ステージパフォーマンスコース  http://k.d.combzmail.jp/t/4y39/90wzesy0qg5tr1mbd8 ●バークリー音大ギターセッション http://k.d.combzmail.jp/t/4y39/90wzfsy0qg5tr1mbd8 ●バークリー音大ソングライティング http://k.d.combzmail.jp/t/4y39/90wzgsy0qg5tr1mbd8 その他のアメリカの学校一覧はこちら http://k.d.combzmail.jp/t/4y39/90wzhsy0qg5tr1mbd8 資料のご請求、ご質問などある方は TEL:03-3278-3450 MAIL:このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。 大野までご連絡ください! ーーーー♪♪♪ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 【3】グラーヴ春期音楽講習会 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー♪♪♪ーーーーー ワインで有名なフランス・ボルドー地方の古城で、フランス一流校の 教授に教わるチャンスです。音大生や若手プロ、アマチュアを対象 とした個人レッスンを3~4回受けられます。 =・=・=・=・=・= グラーヴ春期音楽講習会  =・=・=・=・=・= ■講習会開催期間■ 2011年4月16日(土)~4月24日(日) ■講習会開催科目■ バイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、フルート、クラリネット、サ クソフォン、ピアノ、室内楽 ■オーディション■ なし。音高・音大生または音大卒以外の方は、原則としてCDまたは 先生からの簡単な推薦状が必要です。 ■演奏会の機会■ 原則として全員がコンサートに出演する機会があります。 ■申込締め切り日■ 2011年2月24日 詳細はこちらから http://k.d.combzmail.jp/t/4y39/90wzisy0qg5tr1mbd8 -------- ●ヨーロッパ音楽春期講習会 http://k.d.combzmail.jp/t/4y39/90wzjsy0qg5tr1mbd8 ●アカロアマスタークラス http://k.d.combzmail.jp/t/4y39/90wzksy0qg5tr1mbd8 ●コレクティブ講習会 http://k.d.combzmail.jp/t/4y39/90wzlsy0qg5tr1mbd8 ●ウィーン春期音楽講習会 http://k.d.combzmail.jp/t/4y39/90wzmsy0qg5tr1mbd8 ●ウィーン国際音楽ゼミナール春期講習会 http://k.d.combzmail.jp/t/4y39/90wznsy0qg5tr1mbd8 ●グラーツ現代音楽春期講習会 http://k.d.combzmail.jp/t/4y39/90wzosy0qg5tr1mbd8 その他の春期講習会一覧(昨年の情報もありますのでご注意ください) http://k.d.combzmail.jp/t/4y39/90wzpsy0qg5tr1mbd8 資料のご請求・お問い合わせは TEL:03-3278-3450 MAIL:このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。 大野までご連絡ください! ーーーー♪♪♪ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 【4】 お勧め☆シチリア島観光ツアー ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー♪♪♪ーーーーー 穏やかな地中海と美しい山々に囲まれた、世界でも有数のリゾート 地・イタリアのシチリア島でバケーションをお過ごし下さい。 現地の通訳兼コーディネーターを担当するのは、ニコス・ヴィンチェ ンツォ。フルート奏者として音楽活動をする傍ら、アンドビジョンの イタリア語講師として長年勤務。あの「のだめカンタービレ」」にも出 演したこともある多彩な方です。 滞在中はシチリアの美しいビーチや遺跡を訪れ、イタリアの伝統的 な料理やシエスタ等の慣習を経験していただくことができます。 もちろん!ニコスの奏でるシチリア音楽もこのツアーならでは☆ ■開催期間■ 2011年3月15日(火)~随時出発可(※空き状況による) ■内容■ スタンダードなプランは5泊6日です。リクエストに応じて長期や短 期のプランも組むことができますので、ご相談下さい。 1日目:トラーパニ空港もしくはパレルモ空港着&ウェルカムドリンク 2日目:古代スペインやアラブ、ローマ様式の教会や遺跡を見学など 3日目:ビーチで遊んだ後、トラーパニ山頂のエーリチェを散策など 4日目:パレルモ中心街を散策など 5日目:古代ギリシャの遺跡があるセジャスタの町を散策など ※日程はあくまでも一例です。天候やリクエストに応じてアレンジ可能。 ■催行人数■ 2~6名。 ご滞在を最大限に楽しめるように設定しております。お友達やご家 族でお越し下さい。 ■締切■ 出発希望日の1週間以上前までいつでも受付可。 但し現地空き状況にもよりますので、お早めに。 ■料金■ 145,000円(5泊6日)~ 宿泊費、飲食代、交通費、観光地入場料などは全て含まれていま すので、現地で追加費用は一切かかりません。 詳細はこちらから↓↓ http://k.d.combzmail.jp/t/4y39/90wzqsy0qg5tr1mbd8 シリチア島観光情報はこちら↓↓ http://k.d.combzmail.jp/t/4y39/90wzrsy0qg5tr1mbd8 資料のご請求・お問い合わせは TEL:03-3278-3450 MAIL:このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。 大野までご連絡ください! ------- 国内レッスンも行います!(^^)! ●リヨン国立高等音楽院・パリ地方音楽院教授ビリー・エイディ http://k.d.combzmail.jp/t/4y39/90wzssy0qg5tr1mbd8 ●パリ地方音楽院ピエール・レアク教授 http://k.d.combzmail.jp/t/4y39/90wztsy0qg5tr1mbd8 ●ドイツ・ハンブルグ音楽大学トリファー・スミス教授 http://k.d.combzmail.jp/t/4y39/90wzusy0qg5tr1mbd8 ●ウィーン国立音大ステファン・モラー教授 http://k.d.combzmail.jp/t/4y39/90wzvsy0qg5tr1mbd8 ●オランダ・オランダ・ハーグ王立音楽院カルスト・デ・ヨング教授 http://k.d.combzmail.jp/t/4y39/90wzwsy0qg5tr1mbd8 ●ドイツ・マンハイム音楽大学ウルリッヒ・アイゼンロール教授 http://k.d.combzmail.jp/t/4y39/90wzxsy0qg5tr1mbd8 ※ピアノと声楽の方のデュオで受講可能です。 資料のご請求・お問い合わせは TEL:03-3278-3450 MAIL:このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。 大野までご連絡ください! ーーーー♪♪♪ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 【5】編集後記 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー♪♪♪ーーーー さて、今回のメルマガはいかがでしたでしょうか? 皆様からのご意見・ご感想をお待ちしております。→MAIL:このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。 そして、ご友人にも是非ご紹介ください!(゜▽゜) メルマガ登録は、やメールアドレス変更は簡単に登録できます!! HPから登録できるので、やってみてくださいね! http://www.andvision.net/ それでは、また来週~☆  ーーーー♪♪♪ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 【6】次回予告 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー♪♪♪ーーーー 次回のメルマガもお楽しみに!p(^^)q ****************************************************** メルマガ担当:大野 萌 E-mail:このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。 TEL:03-3278-3450/3451 FAX:03-4496-4903 アンドビジョン株式会社 〒104-0032東京都中央区八丁堀4-9-6 塩部ビル2階 営業時間 [平日・土・祝]10:00-21:00 日曜日はお休みを頂いております。  メール・ファックスは、365日・24時間受付 *世界中の音楽・語学留学コースが満載! PCサイト:http://www.andvision.net 携帯サイト:http://andvision.mobi メルマガ登録解除:http://cbz.jp/d/4y39&m=E-Mail ******************************************************

vol.132 音楽留学アンドビジョン【バークリー音大出願開始】

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━vol.132━2010.11.26━ ◆◆音楽留学アンドビジョン◆◆ ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋━ もくじ∥【1】ごあいさつ ∥【2】前回の特集 ∥【3】バークリー音大出願開始 ∥【4】国内ピアノレッスン追加枠 ∥【5】編集後記 ∥【6】次回予告 ∥発行:アンドビジョン株式会社        ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋━ ーーーー♪♪♪ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 【1】ごあいさつ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー♪♪♪ーーーーー こんにちは、アンドビジョンの大野です。 もう紅白歌合戦の出場者が発表される時期なんすね~!一年は あっという間で早いものです。海外のカウントダウンも良いですが、 日本の厳かな正月が一番★ さてそれでは、今週もたくさんの情報をお伝えします☆ ーーーー♪♪♪ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 【2】 前回の特集 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー♪♪♪ーーーーー 前回の特集です。 ●モスクワ音楽院冬期講習会 http://k.d.combzmail.jp/t/4y39/901blgy0qg8mj12t7n ●アーディングリーピアノマスタークラス http://k.d.combzmail.jp/t/4y39/901bmgy0qg8mj12t7n その他の春期講習会の情報はこちらからどうぞ http://k.d.combzmail.jp/t/4y39/901bngy0qg8mj12t7n 資料のご請求、ご質問などある方は TEL:03-3278-3450 MAIL:このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。 大野までご連絡ください! ーーーー♪♪♪ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 【3】バークリー音大出願開始 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー♪♪♪ーーーーー 音楽をやっていない人でも一度は耳にしたことがあるほどの超有名 校・バークリー音大の2011年度の出願手続きが始まりました。アン ドビジョンでは期限に間に合うよう、出願のお手伝いができますので ご希望の方はお早めにご相談下さい。 =・=・=・=・=・= バークリー音楽大学 =・=・=・=・=・= 世界的にも最も有名な学校の一つです。学生の町ボストンでバー クリーメソッドを学んでみませんか? ■コース■ 学士 B.M.:BachelorofMusic ディプロマ ProfessionalDiploma(プロフェッショナル・ディプロマ) ■入学時期■ 秋期、夏期 *以前は春期もありましたが2010年春期の募集はありません ■オーディション■ ライブ審査、面接 *日本国内に試験会場があります ■入学資格■ 高校卒業資格、語学力(英語が話せること、またはTOEFL) ■申込み締め切り■ 秋期は1月15日 詳細はこちらから http://k.d.combzmail.jp/t/4y39/901bogy0qg8mj12t7n ★★0.20%(7) -------- 早くも2011年度サマーコースの日程が決まりました! 留学を希望している方は現地下見に一度参加されてみては? ◆◇◆バークリー音大サマーコース◇◆◇ 2011年7月9日(土)~8月12日(金) http://k.d.combzmail.jp/t/4y39/901bpgy0qg8mj12t7n   ◆◇◆バークリー音大ステージパフォーマンスコース ◇◆◇ 2011年6月27日(月)~6月29日(水) http://k.d.combzmail.jp/t/4y39/901bqgy0qg8mj12t7n ◆◇◆バークリー音大ギターセッション ◇◆◇ 2011年8月14日(日)~8月19日(金) http://k.d.combzmail.jp/t/4y39/901brgy0qg8mj12t7n ◆◇◆バークリー音大ソングライティング◇◆◇ 2011年8月18日(木)~8月21日(日) http://k.d.combzmail.jp/t/4y39/901bsgy0qg8mj12t7n その他のアメリカの学校一覧はこちら http://k.d.combzmail.jp/t/4y39/901btgy0qg8mj12t7n その他の国の学校情報がこちらをご覧ください。 http://k.d.combzmail.jp/t/4y39/901bugy0qg8mj12t7n 資料のご請求・お問い合わせは TEL:03-3278-3450 MAIL:このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。 大野までご連絡ください! ーーーー♪♪♪ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 【4】 国内ピアノレッスン追加枠 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー♪♪♪ーーーーー 2011年1月8日(土)に予定している、ウィーン国立音大ヴォルフガ ング・ヴァッツィンガー教授の国内ピアノレッスンですが、受講希望 者が非常に多かったため、1月7日(金)にも追加枠を設けることに なりました。残りあと2枠で先着順となりますので、お早めに~★ ●ウィーン国立音大元教授ヴォルフガング・ヴァッツィンガー <ピアノ>2011年1月8日(土)9:30-19:30-東京 および1月7日(金)14:00-19:30-東京 http://k.d.combzmail.jp/t/4y39/901bvgy0qg8mj12t7n 【1月7日(金)の空き状況】※11/26現在 16:00-17:00、17:30-18:30のみ ※1月8日はすでに定員一杯です。 ●NEW:リヨン国立高等音楽院・パリ地方音楽院教授ビリー・エイディ <ピアノ>2011年3月2日(水)-東京 http://k.d.combzmail.jp/t/4y39/901bwgy0qg8mj12t7n 11/26現在の空き状況 10:30-11:30、18:00-19:00のみ ●パリ地方音楽院ピエール・レアク教授 <ピアノ>2011年3月25日(金)、26日(土)、27日(日)-東京 http://k.d.combzmail.jp/t/4y39/901bxgy0qg8mj12t7n ●ドイツ・ハンブルグ音楽大学トリファー・スミス教授 <ピアノ>2011年3月30日(水)・31日(木)-東京 http://k.d.combzmail.jp/t/4y39/901bygy0qg8mj12t7n ●ウィーン国立音大ステファン・モラー教授 <ピアノ>2011年4月17日(日)、4月18日(月)-東京 http://k.d.combzmail.jp/t/4y39/901bzgy0qg8mj12t7n ●NEW:オランダ・オランダ・ハーグ王立音楽院カルスト・デ・ヨング教授 <ピアノ・室内楽>2011年4月29日(金・祝)-東京 http://k.d.combzmail.jp/t/4y39/901b0gy0qg8mj12t8n ●NEW:ドイツ・マンハイム音楽大学ウルリッヒ・アイゼンロール教授 <ピアノ伴奏・声楽> http://k.d.combzmail.jp/t/4y39/901b1gy0qg8mj12t8n ※ピアノと声楽の方のデュオで受講可能です。 資料のご請求・お問い合わせは TEL:03-3278-3450 MAIL:このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。 大野までご連絡ください! ーーーー♪♪♪ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 【5】編集後記 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー♪♪♪ーーーー さて、今回のメルマガはいかがでしたでしょうか? 皆様からのご意見・ご感想をお待ちしております。→MAIL:このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。 そして、ご友人にも是非ご紹介ください!(゜▽゜) メルマガ登録は、やメールアドレス変更は簡単に登録できます!! HPから登録できるので、やってみてくださいね! http://www.andvision.net/ それでは、また来週~☆  ーーーー♪♪♪ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 【6】次回予告 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー♪♪♪ーーーー 次回のメルマガもお楽しみに!p(^^)q ****************************************************** メルマガ担当:大野 萌 E-mail:このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。 TEL:03-3278-3450/3451 FAX:03-4496-4903 アンドビジョン株式会社 〒104-0032東京都中央区八丁堀4-9-6 塩部ビル2階 営業時間 [平日・土・祝]10:00-21:00 日曜日はお休みを頂いております。  メール・ファックスは、365日・24時間受付 *世界中の音楽・語学留学コースが満載! PCサイト:http://www.andvision.net 携帯サイト:http://andvision.mobi メルマガ登録解除:http://cbz.jp/d/4y39&m=E-Mail ******************************************************

vol.131音楽留学アンドビジョン【モスクワ音楽院冬期講習会】

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━vol.131━2010.11.11━ ◆◆音楽留学アンドビジョン◆◆ ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋━ もくじ∥【1】ごあいさつ ∥【2】前回の特集 ∥【3】モスクワ音楽院冬期講習会 ∥【4】アーディングリーピアノマスタークラス ∥【5】編集後記 ∥【6】次回予告 ∥発行:アンドビジョン株式会社        ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋━ ーーーー♪♪♪ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 【1】ごあいさつ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー♪♪♪ーーーーー こんにちは、アンドビジョンの大野です。 先週末は箱根に行ってきました!ちょうど紅葉が綺麗で、秋だなぁ~ と季節を実感することができましたよ。他にお勧めの紅葉スポットが あれば教えて下さい。 さてそれでは、今週もたくさんの情報をお伝えします☆ ーーーー♪♪♪ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 【2】 前回の特集 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー♪♪♪ーーーーー 前回の特集はオーケストラアカデミーについてです。オーディション 締切が迫っておりますので、希望する方はお早めにご相談下さい。 ●シュレースヴィッヒ・ホルシュタイン音楽祭オーケストラアカデミー http://k.d.combzmail.jp/t/4y39/90u2xey0pgq99vzlgq ●ルツェルン音楽祭アカデミー http://k.d.combzmail.jp/t/4y39/90u2yey0pgq99vzlgq その他の春期講習会の情報はこちらからどうぞ http://k.d.combzmail.jp/t/4y39/90u2zey0pgq99vzlgq 資料のご請求、ご質問などある方は TEL:03-3278-3450 MAIL:このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。 大野までご連絡ください! ーーーー♪♪♪ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 【3】モスクワ音楽院冬期講習会 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー♪♪♪ーーーーー パリ、ジュリアードと並ぶ世界3大音楽院のひとつ、チャイコフスキー 記念ロシア国立モスクワ音楽院で冬のマスタークラスを行います。 これまでに世界的音楽家達を輩出してきたモスクワメソッドを、あなた もこの機会に学んでみてはいかがですか? ~・~・~・~・~・~・~ モスクワ音楽院冬期講習会 ~・~・~・~・~・~・~ ■講習会開催期間■ 全期間:2011年1月25日-2月7日 第一期:2011年1月25日-1月31日 第二期:2011年2月1日-2月7日 ■講習会開催科目■ ピアノ、オルガン、全オーケストラの楽器、声楽、合唱指揮、室内楽、 伴奏、作曲、ピアノ・声楽・弦楽音楽教育、音楽学 ■オーディション■ なし ■演奏会の機会■ チャイコフスキー記念国立モスクワ音楽院ホールで行われる演奏会 に選抜者の出演の機会あり ■申込締め切り日■  2010年12月15日 ※ビザ取得が必要となりますのでお早めにお申込み下さい。 コースのもっと詳しい情報はこちらからどうぞ☆ http://k.d.combzmail.jp/t/4y39/90u20ey0pgq99vzlhq ---------- ☆ウィーン冬期音楽講習会もまだ間に合います☆ ピアノ、バイオリン、フルート、声楽クラス開講です http://k.d.combzmail.jp/t/4y39/90u21ey0pgq99vzlhq 先生と一対一のプライベートレッスンも人気です。 http://k.d.combzmail.jp/t/4y39/90u22ey0pgq99vzlhq 資料のご請求・お問い合わせは TEL:03-3278-3450 MAIL:このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。 大野までご連絡ください! ーーーー♪♪♪ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 【4】アーディングリーピアノマスタークラス ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー♪♪♪ーーーーー ショパンの名手・アドルフォ・バラビーノによる特別ピアノコースです。 ========= アーディングリーピアノマスタークラス ========= ■講習会開催期間■ 2010年12月15日~12月21日 2011年4月2日~4月8日 2011年8月14日~8月20日 2011年12月16日~12月22日 ■講習会開催科目■ ピアノ ■教授陣■ アドルフォ・バラビーノ(イギリス・スタインウェイアーティスト) ■演奏会の機会■ 選抜された受講生がファイナルコンサートに出演可能 ■申込締め切り日■ 定員になり次第終了 詳細はこちらからご覧下さい↓↓ http://k.d.combzmail.jp/t/4y39/90u23ey0pgq99vzlhq 資料のご請求、ご質問などある方は TEL:03-3278-3450 MAIL:このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。 大野までご連絡ください! ◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆ 国内マスタークラス 今後予定しているレッスンスケジュールです。 受講生/聴講生ともに募集中ですので、お友達と一緒にお越し下さい。 ●ウィーン国立音大元教授ヴォルフガング・ヴァッツィンガー <ピアノ>2011年1月8日(土)9:30-19:30-東京 http://k.d.combzmail.jp/t/4y39/90u24ey0pgq99vzlhq 【1月8日(土)の空き状況】※11/11現在 9:30-10:30のみ。 残り1枠です。ご興味ある方はお早めに!(^^)! ●NEW:リヨン国立高等音楽院・パリ地方音楽院教授ビリー・エイディ <ピアノ>2011年3月2日(水)-東京 http://k.d.combzmail.jp/t/4y39/90u25ey0pgq99vzlhq 【3月2日(水)の空き状況】※11/11現在 9:30-10:30、10:30-11:30、14:30-15:30、 15:30-16:30、17:00-18:00、18:00-19:00、 ●パリ地方音楽院ピエール・レアク教授 <ピアノ>2011年3月25日(金)、26日(土)、27日(日)-東京 http://k.d.combzmail.jp/t/4y39/90u26ey0pgq99vzlhq ●ドイツ・ハンブルグ音楽大学トリファー・スミス教授 <ピアノ>2011年3月30日(水)・31日(木)-東京 http://k.d.combzmail.jp/t/4y39/90u27ey0pgq99vzlhq ●ウィーン国立音大ステファン・モラー教授 <ピアノ>2011年4月17日(日)、4月18日(月)-東京 http://k.d.combzmail.jp/t/4y39/90u28ey0pgq99vzlhq ●NEW:オランダ・オランダ・ハーグ王立音楽院カルスト・デ・ヨング教授 <ピアノ・室内楽>2011年4月29日(金・祝)-東京 http://k.d.combzmail.jp/t/4y39/90u29ey0pgq99vzlhq ●NEW:ドイツ・マンハイム音楽大学ウルリッヒ・アイゼンロール教授 <ピアノ伴奏・声楽> http://k.d.combzmail.jp/t/4y39/90u2aey0pgq99vzlhq ※ピアノと声楽の方のデュオで受講可能です。 資料のご請求・お問い合わせは TEL:03-3278-3450 MAIL:このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。 大野までご連絡ください! ーーーー♪♪♪ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 【5】編集後記 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー♪♪♪ーーーー さて、今回のメルマガはいかがでしたでしょうか? 皆様からのご意見・ご感想をお待ちしております。→MAIL:このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。 そして、ご友人にも是非ご紹介ください!(゜▽゜) メルマガ登録は、やメールアドレス変更は簡単に登録できます!! HPから登録できるので、やってみてくださいね! http://www.andvision.net/ それでは、また来週~☆  ーーーー♪♪♪ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 【6】次回予告 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー♪♪♪ーーーー 次回のメルマガもお楽しみに!p(^^)q ****************************************************** メルマガ担当:大野 萌 E-mail:このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。 TEL:03-3278-3450/3451 FAX:03-4496-4903 アンドビジョン株式会社 〒104-0032東京都中央区八丁堀4-9-6 塩部ビル2階 営業時間 [平日・土・祝]10:00-21:00 日曜日はお休みを頂いております。  メール・ファックスは、365日・24時間受付 *世界中の音楽・語学留学コースが満載! PCサイト:http://www.andvision.net 携帯サイト:http://andvision.mobi メルマガ登録解除:http://cbz.jp/d/4y39&m=E-Mail ******************************************************

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